2013年に導入されたオランダのゴールデンビザは、投資家向けのビザ(査証)を提供する多くの国と同様、国内経済の成長を促すことを目的としており、取得には他の厳しい条件に加え、少なくとも125万ユーロ(約2億円)という多額の投資が求められる。
オランダの場合、ゴールデンビザは事業展開に適用され、「私的に占有する不動産への投資」は除外される。基本的な要件としては、有効なパスポート(旅券)を所持していること、公序良俗や国家安全保障に危険をもたらさないこと、オランダ到着時に結核検査を受けることなどが挙げられる。ウェブサイト「シェンゲンビザニュース」によると、その他の条件には、オランダに拠点を置く国際企業、経済省の認可を受けたファンド、オランダの企業に投資するベンチャー企業または契約上の合弁事業のいずれかに投資することが含まれる。すべての条件については、オランダ移民帰化局のウェブサイトを参照してほしい。
欧州のゴールデンビザ人気が急上昇
複数の欧州諸国がゴールデンビザ制度の廃止を発表したことで、同様の制度を維持しているスペインやイタリアといった国々で申請数が急増し、過去最高を記録した。米ブルームバーグ通信は、「本制度を終了する計画を発表した一方で、オランダは依然としてゴールデンビザの申請を受け付けている」と報道。「モンテネグロも同様だ。欧州の投資による市民権取得制度は、政治的な観点から廃止を求める声が上がっているにもかかわらず依然好調で、移住コンサルタント会社の事業は活況を呈している」と伝えた。
こうした駆け込み需要は、欧州のさまざまな政府筋からこのような投資による居住許可制度の廃止を求める圧力が高まり、欧州連合(EU)がこの問題に対する姿勢を強めていることと並行して高まっているようだ。