データを音声に変換したい理由はいくつかある。まず、データに注目を集める独創的方法の1つとして、データの可聴化を利用することが考えられる。たとえば、作曲家のジェイミー・ペレラは気象データを交響曲に変換した。ほかにもデータ可聴化の目的としては、データ内の新たな情報を見つけるためというものもある。天文学者は、可聴化された望遠鏡データの中から、視覚イメージでは隠れてしまうような特異性を見つけることができる。そしてもう1つ、データの可聴化は、視覚イメージから情報を得ることのできない人たちにも、研究データを利用しやすくする。Accessible Oceansというプロジェクトは、その目的で海洋のデータを音声に変換している。
可聴化されたデータを使用する理由は様々なので、どのタイプの音声が聞く人の体験にどのような影響を与えるかを知っておくことは重要だ。たとえば、音声がパターン認識のために使用されるなら、聞く人の集中力を持続させるタイプの音声を使うことが理にかなっているだろう。しかし、それが芸術や支援活動のためならば、美的に心地よいタイプの音楽が向いているかもしれない。
もちろんグラフがなくなることはなく、今後もデータのパターンをひと目で把握できる優れた方法として残るだろう。しかし、データを音声に変えることによって、より多くの人たちと新たな方法で共有できるようになる。そして、どうすれば音声が人を引き付けるかを理解することは、共有したいデータを持つすべての人にとって役に立つはずだ。
(forbes.com 原文)