データの可聴化(データ・ソニフィケーション)は、データを音声パターンに変換するプロセスだ。その方法には、ビープ音とクリック音の連続といった単純なものから、フルオーケストラの交響曲という複雑なものまでいくつかある。しかし、どんなタイプの音声が、聞く人を最も引き付けるのだろうか? それを知るために、フィンランドと米国の研究者たちは、さまざまな種類のデータ可聴化に対して、人がどのような反応を示すかを調べた。
どんなデータでも可聴化できるが、この研究では、フィンランドの気象記録が用いられた。データは、3つのセットの音声に変換された。1つはメロディーとして、2つめは和音として、そして3つめはリズムとしてデータを表現したものだ。それぞれのセットの中で、可聴化されたデータは、単純な音声、音色を加えた音声、および音色とリズムを加えたより複雑な音声として提供された。こうして被験者は合計9種類の音声を聞くことが可能になった。
ボランティアの被験者は、これらの音声のいくつかをランダムな順番に聞かされ、それぞれについて「聞き取り作業に没頭した」「音声の内容が好奇心を掻き立てた」などの項目に評価を求められた。
すべてのデータを分析した結果、それぞれの音に対する人々の感じ方に、僅かな違いがいくつかあることを研究チームは発見した。たとえば、データがリズムとして提示された時、被験者は、単純な音声として聞いた時の方が、複雑な音声を聞いた時よりも集中した。しかし、メロディーに変換されたデータを聞いていた時は、複雑な音調を含んだ音のほうが心地よく感じた。