中絶禁止広まる米国、年間出生数が3万2000人増

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米国で、人工妊娠中絶が憲法上の権利として認められなくなって以降、年間出生数が約3万2000人増えたことを示す分析結果が公表された。

米最高裁判所は2022年6月、中絶を憲法で保障された権利として認めた1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆した。これを受け、多くの州で中絶が非合法化された。

米ジョージア工科大学、米ミドルベリー大学、ドイツの労働経済研究所(IZA)の研究チームは、2023年1~6月のデータを分析した報告書を発表。それによると、中絶が禁止された州では、中絶が引き続き合法な州と比較し、出生数が平均2.3%増加していた。(ただし、テキサス州はロー対ウェイド判決が覆される前に中絶を事実上禁止していたため、今回の分析では除外された)

年齢別では、20〜24歳の女性が最も影響を受け、出生数は3.3%増加。25〜29歳は2.8%増、30〜44歳は2%増だった。人種別では、ヒスパニック系女性が4.7%増、白人女性が3%増、黒人女性が3.8%増だった。

最高裁によりロー対ウェイド判決が覆されると、13州で中絶が即時禁止された。以降、21州で保守派の議会が中絶の禁止や制限に動いている。しかし、オハイオやカンザス、ケンタッキーといった州で実施された中絶禁止の是非を問う住民投票ではいずれも、中絶を引き続き合法としたり、州政府による中絶禁止を容易にする措置が否決されたりしている。

米疾病対策センター(CDC)が22日に発表した別の報告書によると、米国では最高裁による判決前の2021年、中絶が増加傾向にあった。中絶の報告件数は前年比5%増の62万2108件で、15~44歳の女性1000人当たり11.6件だった。ただし、カリフォルニア、メリーランド、ニューハンプシャー、ニュージャージーの各州はCDCに中絶件数を報告していないため、このデータは不完全なものとなっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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