石油開発とのシナジー効果
アマンは、アーカンソー州のプロジェクトは三方よしの好例だと述べている。「当社にとって、このプロジェクトは北米のエネルギー安全保障強化に加え、重要な産業資材の供給拡大、社会のネット・ゼロ目標の達成に不可欠な排出ガス削減に貢献するものであり、三方よしの絶好の事例だ」。エクソンモービルはかつて、南米やカナダ、オーストラリアで銅、亜鉛などの採掘を手掛けていたが、石油開発に専念するためにこの事業を売却している。エクソンモービルが1990年代に鉱石の採掘から撤退した際、鉱業と石油は設備投資の要件や経営文化が異なるため、うまく融合しないと見られていた。しかし、アーカンソーで生産するリチウムは液体ベースの採掘プロジェクトであり、同社が長年培ってきた石油開発の技術を活用できるため、過去の事業とは異なる可能性がある。
技術面だけでなく、顧客基盤においても石油事業とリチウム事業はシナジー効果を発揮できると思われる。自動車メーカーは、数十年もの間エクソンモービル製品を使用しており、同社のリチウムの潜在ユーザーとなる可能性がある。
(forbes.com 原文)