EV電池リサイクルの米レッドウッド社、トヨタに部品供給へ

(TOYOTA USA プレスリリースより)

テスラの共同創業者で元CTOのJB・ストラウベルが設立したバッテリーリサイクル会社「レッドウッド・マテリアルズ(Redwood Materials)」は11月16日、トヨタ自動車が米国で建設中の巨大工場で新型バッテリーを製造するためのアノード(負極)およびカソード(正極)材料を供給すると発表した。

両者が結んだ長期契約は、ネバダ州カーソンシティを拠点とするレッドウッドがトヨタのハイブリッド車や電気自動車(EV)のバッテリーをリサイクルすることから昨年始まった関係を拡大するものだ。新たな供給契約の金銭的条件は明かされていないが、ストラウベルはフォーブスの取材に対し「この契約は、我々にとって巨大で重要なものだ」と述べている。

「この契約は、当社にとって初めての自動車メーカーとのエンド・ツー・エンドの供給契約だ。そして、この契約の最も興味深く最も新しい部分は、大手の自動車メーカーがリサイクルから部品調達までのすべてを当社と行った初めてのケースだという点だ」と彼は語った。

世界最大の自動車メーカーであるトヨタは、競合他社と比べてEVの新モデルの投入に積極的ではないことで知られ、プリウスなどを含むハイブリッド車両が、自動車からのCO2排出を抑制するためのより手頃な選択肢であると主張してきた。しかし、同社はノースカロライナ州に約140億ドルを投じた巨大工場を建設し、2025年からEVとプラグインハイブリッド車用のバッテリーパックを製造しようとしている。

トヨタはレッドウッド社の主要な商業パートナーになる可能性が高いが、出資元の一社ではないと述べている。

今から20年近く前にテスラ用のバッテリーパックとモーターの開発を始めたストラウベルが設立したレッドウッドは当初、使用済みバッテリーや電子廃棄物からリチウム、グラファイト、銅、コバルトなどの高付加価値金属を回収することに注力していたが、現在はアノード用の銅箔の製造に事業を拡大した。

同社はまた、リチウムイオン電池の最も高価な部品で、現状ではほぼ中国、韓国、日本で生産されているカソード材とアノード材の供給拠点を米国に作ることを計画している。
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編集=上田裕資

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