宇宙

2023.11.15

ダ・ヴィンチが発見した月の「地球照」を肉眼で見よう 今週の日没直後に

地球照が三日月の「暗い側を照らしている」。2020年2月27日(Getty Images)

自然界で三日月ほど繊細で美しい光景はあまりない。今週、日没後の空をその三日月が支配する。

今週の水曜日から週末にかけて、月は極細の三日月から、より太く明るい三日月へと満ちていく。そしておそらく、今週最も魅力的な光景は「ダ・ヴィンチの輝き」だろう。

「ダ・ヴィンチの輝き」とは

三日月の光っていない側に見られる微かな光を「ダ・ヴィンチの輝き(Da Vinci glow)」と呼ぶ。これを最初に観測したイタリアの天文学者レオナルド・ダ・ヴィンチにちなんで名づけられた。

一般にダ・ヴィンチの輝きは「地球照」と呼ばれている。それはこの現象を起こしているのが月ではなく、地球だからだ。地球照は地球の雲や氷に反射した太陽光が月を照らし、かすかな輝きを生み出す現象だ。

観察できるのは、月が細い三日月でいるときだけであり、今週は毎晩見ることができる。地球照の明るさは雲や氷の状態が変わるため年中変化しているとNASAは説明している。

「ダ・ヴィンチの輝き」を見る場所と時間

11月13日月曜日が新月だったため、14日火曜日には輝面比わずか4%の極細の三日月が、日没直後の南西の空、地平線のすぐ上に現れたが肉眼では見ることが困難だった。

実際に三日月と「ダ・ヴィンチの輝き」すなわち地球照を見るべきタイミングを以下に示す。日没後に少し高い空に現れるのでずっと見やすい。

・11月16日木曜日:輝面比10%の満ちていく三日月(夕暮れの空)
・11月17日金曜日:輝面比18%の満ちていく三日月と地球照(夕暮れの空でいて座の星々とともに)
・11月18日土曜日:輝面比27%の満ちていく三日月と地球照(夕暮れの空でいて座の星々とともに)

「地球照」を見るのに最適な日時は、17日金曜日の日没から30分ほど過ぎた頃だろう。理論的には、地球照は常に存在しているが、月の輝面比が25%を超えるあたりからは、明るい月の光にかすかな地球照が圧倒されてしまうため、見るのが困難になっていく。

「ダ・ヴィンチの輝き」を見る方法

「ダ・ヴィンチの輝き」は肉眼でも十分に見ることができるが、もし双眼鏡を持っているのならのぞいてみる価値がある。月の明るい部分と暗い部分の境界近くのクレーターや山々に影が作られているところが見えるだろう。

そして双眼鏡を月の暗い縁に向ければ、38万km彼方にある月の表面が、地球の氷冠と雲からやってきた光によって明らかにされているところを観察することができる。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事