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2023.11.15 07:15

免疫を高める食材と調理方法とは 管理栄養士がズバリ回答

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免疫力アップには乳酸菌を含む発酵食品がいいと言われているが、ほかにも効果的な食材や調理方法がある。何を選んでどう調理すればいいのか、管理栄養士がズバリ答えてくれた。

大正製薬は全国の20代から60代の男女1000人を対象に、免疫対策のために日常的に摂取しているものを調べたところ、やはり、ヨーグルトやチーズ、納豆といった発酵食品を食べていると答えた人が4割以上と多数派だった。しかし、東京慈恵医科大学附属病院栄養部部長の濱裕宣医師は、さらに効果的に免疫を高める方法があるという。

まずは鍋。具材は肉か魚介か? 免疫対策なら「魚介」と濱氏は言う。肉も魚介もタンパク質なので免疫対策には有効なのだが、免疫力を高めるタウリンを多く含む牡蠣、免疫細胞を元気にし、過剰な免疫反応を抑えるビタミンDを多く含む鮭がお勧めとのこと。さらに、魚介には亜鉛が豊富で、粘膜を強化し、ウイルスの侵入を阻止する働きもある。

鍋には野菜をたっぷり入れることも大切だ。抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eを含むニンジン、ほうれん草、トマト。ほうれん草は、免疫細胞へ酸素や栄養素を届ける重要な役割を果たす鉄分も多い(小松菜も同じ)。さらに、ゴボウや豆腐に含まれるサポニンは、ウイルスに感染した細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞を活性化させる。こう見ると、魚介の鍋は最強に思える。

次にサラダ。サラダにトマトを入れるとき、大玉トマトとミニトマト、どちらがいいか? 免疫対策なら「ミニトマト」だ。ミニトマトにはビタミンB群、ビタミンC、カリウム、食物繊維が大玉トマトの1.5〜2倍含まれている。抗酸化作用のあるトマトサポニンの量も3〜5倍と多い。ちなみに、トマトソースを作るときもミニトマトを使えば濃厚なソースができるとのこと。

さらに、抗酸化作用や抗がん作用のあるスルホラファンを含むブロッコリースプラウト、ポリフェノールを多く含むセロリもお勧め。セロリは切ることでポリフェノール量が30パーセント、抗酸化作用が4倍にアップする。ただし、切って時間が経つとビタミンCが低下するので、切ったらすぐに食べること。

魚介類の炒め物は、カレー味かバター味か? 答えは「カレー味」。イカ、エビ、牡蠣に含まれるタウリンに加え、カレー粉のターメリックに含まれるクルクミンも肝機能を強化し解毒作用を高めてくれる。イカは皮を剥かずに炒めることで、タウリンとコラーゲンを逃さず食べられるということだ。

野菜はベータカロテンを多く含むニンジンがお勧めだが、その吸収率は油で炒めることで70パーセントアップする。また、免疫維持に役立つビタミンDを含むきくらげや干し椎茸、血行をよくするビタミンEが多い卵も効果的だ。ところでニンジンは、切ってから1〜2日放置しておくとビタミンCが増えるとのこと。ビタミンCが多く含まれるのは頭と尻尾に近い部分なので、丸ごと全部使うのがいい。
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文 = 金井哲夫

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