北米

2023.11.11

ハーバード大学学長が親パレスチナのスローガンを非難、反ユダヤ主義反対を表明

ハーバード大学学長、クローディン・ゲイ(Getty Images)

ハーバード大学のクローディン・ゲイ学長は現地時間11月9日の声明で「あらゆるヘイト」を拒否するという同大学の方針を繰り返し、一部の親パレスチナ抗議者が使用しているスローガン「川から海まで( from the river to the sea)」を非難した。このスローガンは、名誉毀損防止組合から反ユダヤ的であると見なされている。

声明の中でゲイは、この文言および「同様に人を傷つけるあらゆる文言」は「非常に多くの人々にイスラエルによるユダヤ人追放を思い起こさせる特別な歴史的意味を持ち、ユダヤ人社会の中に、痛みと実存的恐怖の脅威をもたらすものです」と話し、この文言を糾弾した。

「川から海まで」は、親パレスチナ派のスローガンで、パレスチナ人は領土を取り戻し、地中海からヨルダン川までイスラエルを取り囲むべきだと示唆している。ハキーム・ジェフリーズ下院議員(民主党・ニューヨーク州選出)は、先にそのスローガンは「イスラエルの完全な破壊を求めていると広く理解されている」と発言した。

ゲイの発言は、卒業生や寄付者からの、ユダヤ人学生を守るために大学は十分なことをしていないとする批判に答えたものと思われ、同氏は、ハーバード大学が公平性、多様性、包摂性および帰属意識を推進する同校の組織である「Office for Equity, Diversity, Inclusion and Belonging」を拡大し、反ユダヤ主義を「より完全に包含」するとともに、教員、卒業生および学生からなる反ユダヤ主義諮問グループを創設したことを発表した。

ゲイは、10月18日にユダヤ人学生が親パレスチナ行事から排除されたとされる事象にも触れ「本件はFBIおよびキャンパス警察が捜査している」と語っている。
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翻訳=高橋信夫

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