同社が1日発表した2023年7~9月期決算は、純利益が前年同期比94%減の3100万ドル(約47億円)に落ち込んだ。また、2024年6月期通期の業績見通しを下方修正し、売上高を前期比2%減~1%増とし、従来予想の同5~7%増から引き下げた。通期の1株当たり利益予想も、2.08~2.35ドルとし、従来予想の3.50~3.75ドルから引き下げた。
エスティーローダーの株価は現在、2017年以来の最安値となる105ドルに沈み、年初来の約59%の下落を加速させている。
同社のファブリツィオ・フリーダCEOは、世界売上の約30%を占める中国とアジアでの成長がさらに鈍化する見通しであることを下方修正の主な理由としたが、これは同社の6月30日までの 1年間の売上高が、前年比10%のマイナスだったことを考慮すると、特に深刻に受け止められた。
スティフェルのアナリストは、エステローダーのガイダンスが期待外れで「回復のペースについて過度に野心的な想定を反映した部分もある」と述べている。
時価総額が370億ドルのエスティーローダーは、ロレアルに次ぐ美容業界で2番目に時価総額が高い上場企業として知られている。LVMHやアップル、カナダグースを含む他の多くの企業も、中国事業の減速に関連して、ここ数カ月で大幅に株価を下落させている。エスティーローダーのブランドには、ラ・メールやトムフォード、ボビイブラウンなどが含まれている。
ゴールドマン・サックスのアナリストのジェイソン・イングリッシュは、1日のメモで、直近の投資家の心理の落ち込みを指摘しつつも「現在の株価から意味のある下げを予測するのは難しい」と主張し、エスティーローダーの目標株価を現状を約75%上回る185ドルに設定した。
(forbes.com 原文)