火星の大気でエタノールをつくる 地球温暖化にも効果

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大気中の二酸化炭素を回収してエタノールに変換し、燃料などに役立てる技術の開発が進んでいる。目指すは地球温暖化の緩和はもちろん、大気中の96パーセントが二酸化炭素という火星での燃料自給だ。

この技術を開発するCRRA(炭素回収技術研究機構)は、エタノールからSAFやe-fuelなどのサステナブルな合成燃料の製造を行うコスモエネルギーホールディングスと社会実装のための共同検討を行う基本合意を取り交わした。CRRAは「地球を守り、火星を拓く」との理念をかかげ、地球温暖化対策から火星移住までを一貫して研究する独立系研究機関。個人レベルでも地球温暖化対策ができる世界最小の二酸化炭素回収装置「ひやっしー」を開発し販売も行っている。
部屋の二酸化炭素を最大80パーセント回収する世界最小の二酸化炭素回収装置「ひやっしー」。部屋の空気の浄化が行えるほか、回収した二酸化炭素を収めたカートリッジはCRRAが回収してさまざまに利用する(CRRA公式ホームページより)。

吸い込んだ二酸化炭素を最大80パーセント回収する世界最小の二酸化炭素回収装置「ひやっしー」。部屋の空気の浄化が行えるほか、回収した二酸化炭素を収めたカートリッジはCRRAが回収してさまざまに利用する(CRRA公式ホームページより)。

CRRAの技術は、二酸化炭素を大気から直接回収し、二酸化炭素を吸収させたアルカリ溶液で微細藻類「スピルリナ」を培養して発酵させバイオエタノールを生成するというもの。また、電気化学還元法による合成エタノールの生成技術も同時に研究を進めている。エタノールの燃やせば二酸化炭素を排出するが、そもそも二酸化炭素が原料なので二酸化炭素が増えることがなく、カーボンニュートラルが実現する。

両社は、2045年の有人火星探査および移住に向け、開発を加速させるということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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