相場の暴落が不可避な理由
直近の2カ月以上、市場は急落しているが、下げ幅はこれでもまだ不十分だ。幅広い悪材料と強い投資家心理は、現状を揺るがすような激変が起きることを要求している。言い換えれば、その必須である衝撃が起こるには、空恐ろしくなるほどの急落が必要であるということだ。株式市場は今後、どこまで下落するか?
現時点では、この問いへの答えを知る方法はない。投資家(個人、機関を問わず)がポートフォリオをどう構築してきたのか、不明な点が多すぎるからだ。オプションや信用取引口座など、レバレッジを用いた投資手法が多用されていることはわかっている。このような投資手法では、株価が100%下落しなくても、資産価値がゼロになることがあり得るため、最も大きな打撃をこうむるのはこのような投資家だろう。加えて、ヘッジファンド業界にはとてつもなく大きな投資力が存在している。これらのファンドには、ロングでもショートでも、大きなポジションを取る能力と意志があるため、これがリスクを引き上げる要因となる。
「投資家を安心させるより、脅かす方が簡単だ」という投資の格言を思い出してほしい。これは言い換えれば、空売りによって煽られた急落は「売り逃げ」したいという投資家心理に、かなりの影響を与える可能性があるということだ。