資産運用

2023.09.09

投資で大損しても平気な人とは

プレスリリースより

超低金利時代は投資で資金を増やすのが得策。とはいえ、欲を掻いては足下をすくわれる。大損すれば生活に支障が出ることもある。だが、投資は懲り懲りだとすっぱり足を洗う人もある一方で、1000万円以上損をしても生活に影響を受けない人もいる。その違いは何か? 全国調査の結果が、それをイヤというほどわからせてくれる。

テクニカル分析専門サイト「テクニカルブック」は、全国の20歳以上で投資経験のある270人を対象にアンケート調査を行った。それによると、投資で損をしたことのある人はおよそ7割。そのうち、100万円以上の大損をした人は3割近く。当然、生活に影響が出るものと思われる。

大損をした人からは、旅行をやめた、貯金がなくなった、家を買う時期が延びた、投資をすっぱりやめた、といった辛い意見が聞かれる。損失額が10万円未満の人は約7割が生活に影響しなかったと答えていて、まあまあセーフというところだが、10万円を超えると影響したという人の割合がぐっと増え、500万円以上ともなると8割以上の人が生活への影響があったと答えている。ところがなんと、500万円未満では3割ほど、1000万円以上でも2割弱、生活に影響がなかった人たちがいる。

大損しても生活に影響しなかった人に話を聞くと、「余剰資金でしたので、遊行費を節約するくらいでなんとかなりました」、「生活に影響を及ぼさない範囲での投資をしている」と、みな「余裕資金」を投資に使っていたことがわかる。「捨てても惜しくない金」で投資しろ、というのは投資の鉄則。悔しいけど、やっぱりそれが正しかった。

また、大損をした人たちの投資目的は、1位が「短期的な利益獲得」で3割。2位が「長期的な資産形成」で2割強。3位の「安定的な収益、配当の獲得」という堅実な人たちは割合がぐっと減る。たしかに投資は資金を増やすことが最大の目的だが、金儲け感覚では失敗するということのようだ。

投資は余裕資金で行い、短期的な利益は期待しない。重々わかってはいるものの、余裕資金なんてないし、余裕どころか生活資金にも事欠く人のほうが多いはず。やっぱり投資は金持ちがさらに金を増やすための道楽なのか。いやいや、そんな負け惜しみを言ってはいけない。10万円以下の余裕資金で安全に投資をしている人も多いのだ。自分なりの余裕資金で、無理なく気長に行えと、この調査結果が教えている。コツコツやりましょう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

ForbesBrandVoice

人気記事