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2023.10.27

生成AIも導入、コラボツール「Notion」には日本はどう見えているのか

Notionの最高マーケティング責任者(CMO)、レイチェル・ヘップワース氏

米国のスタートアップ、Notion(ノーション)が開発する「Notion」は仕事のワークフローを改善し、チームワークとコラボレーションを促進する「コネクテッドワークスペース」として注目されている。日本でもトヨタ自動車、三菱重工、サイバーエージェントをはじめとする大企業が採用を決めた。日本語対応も果たしたことで個人のユーザーも勢いよく増えている。来日した同社の最高マーケティング責任者(CMO)のレイチェル・ヘップワース氏に、Notionが多くのユーザーに選ばれる理由を聞いた。

ビジネスを支援するオールインワンのコネクテッドワークスペース

Notionはドキュメントエディタ、プロジェクト管理やチーム内の情報共有に役立つデータベース構築のツールなどをひとまとめにしたオールインワンのワークスペースツールだ。MacとWindowsに対応するPC版アプリケーションの他、モバイルアプリはiOSとAndroidに対応する。無料で使える基本ツールの上に有料ツールを足して、ユーザーのワークスタイルに合わせたカスタマイズが自在にできる。

共同創業者である現CEOのアイバン・ザオ氏、現CTOのサイモン・ラスト氏が初期に開発した製品を一度スクラップにして作り直し、2016年に京都で産声を上げたNotionの「バージョン1.0」が現在のアプリケーションの土台になっている。現行製品は「バージョン2.0」だが、ヘップワース氏によると近く次の「バージョン3.0」へのアップデートも控えているという。詳細は後日アナウンスされる予定だ。

「2人の創業者がNotionを立ち上げた当時、ビジネス向けのアプリケーションというものは、例えばドキュメントエディタ、データベースなどそれぞれが異なる機能のコンポーネントとして存在していました。アプリケーションをブロックとして捉えて、ユーザーが自由に組み合わせを決められる方が生産効率は向上するのではないかと、2人の創業者たちが考えたことからNotionの進化はスタートしています」

日本語に対応するNotionはベータ版の提供を経て、2022年の11月に正式ローンチを迎えた。日本で人気を集める理由をヘップワース氏がこう語る。

「ユーザーのみなさんが、Notionの豊富な機能を必要に応じて組み合わせながら、自身の環境をカスタマイズできる使い勝手の良さが日本の美的感覚にマッチしたのだと思います。ユーザーインターフェースのデザインもクリーンでシンプルです。もう1つ考えられることは、Notionを活用する日本のファンのみなさんによる強いコミュニティがあることです。コミュニティの中ではNotionに関する幅広い知識が共有されています。2022年にはコミュニティからNotionに関する書籍が6冊も出版されています。Notionの成功と成長を支える、頼もしいパートナーであるコミュニティを私たちも全力で支援します」
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編集=安井克至

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