経営・戦略

2023.10.27 09:15

「実効性の高さ」が成長を後押し。経営に強いガバナンス体制をもつ20社|ガバナンスランキング

イラストレーション=ダン・マトゥティナ

2023年10月25日発売の「Forbes JAPAN」12月号では、「新しい『いい会社』100」特集と題して、全上場企業対象、独自調査・分析で作成した、「ステークホルダー資本主義ランキング」「自然資本ランキング」「人的資本ランキング」「ガバナンスランキング」などを紹介。それぞれのランキング上位企業、計10社のCEOインタビューをはじめ、『ビジョナリー・カンパニー」シリーズ著者・ジム・コリンズへの独占インタビュー「これからの『偉大な企業』の条件、『偉大な人生』について」も掲載している。

変化が激しい時代の風を読み、イノベーションを創発し、経営に強いガバナンス体制を構築できるか。鍵を握るのは、経営陣の多様性やスキルセット、実行力だ。


2023年4月、金融庁は「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム」を掲示した。企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けた課題として「収益性と成長性を意識した経営」「サステナビリティを意識した経営」「独立社外取締役の機能発揮」の3点を指摘したうえで、取締役会などの実効性の評価や人的資本への投資、サステナビリティに関する取り組み強化などが必要だとしている。

株主から託された資金を有効活用し、付加価値を生み出し、企業や社会の持続的な成長につなげる。それには経営の方向性を正しく示し、時には制御できる「実効性のあるガバナンス」が不可欠だ。その中核となるのが取締役会である。

最近は上場企業を中心に、取締役が有する知見や経験を一覧化したスキルマトリックスを開示する動きが広がりつつある。多様性というと日本では性別に目が向きがちだが、国籍や年齢はもちろん、さまざまな専門性や経験をもつ取締役が集まり、監督責任を果たしながらイノベーションを推進できるか。ガバナンスや取締役会の進化が問われている。

そこで、今回は東証プライム上場企業1836社のガバナンス関連データを収集・分析し「ガバナンスランキング」を作成した。スコアの算出には女性比率や外国人比率、取締役の年齢差などを考慮した「経営陣の多様性」のほか、「経営陣のスキルマトリックス」「ROE(自己資本利益率)」など計18指標を用いた。

その結果、創業者が社長を務める企業が上位にランクインした。

ガバナンスランキング

ランキング算出方法

調査対象は東証プライム市場の1836社。2023年7月1日時点で取得したデータを基にサステナブル・ラボが解析。スコアの算出には「経営陣の多様性(女性比率・外国人比率・取締役の年齢差)」「経営陣のスキルマトリックス」「ROE(自己資本利益率)」をはじめ計18指標を用いた。データソースには統合報告書やサステナビリティリポート、ESGデータブックなど各種開示資料および各種レーティングサイトの情報を用いた。業種ごとの相対評価で指標スコア(偏差値)を算出したのち、各指標に対してテーマや業種のマテリアリティを基に重み付けを行い、最終スコアを算出。ランキングは小数点第2位以下の数値が大きい企業を上位とした。
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編集=瀬戸久美子 解析=サステナブル・ラボ

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年12月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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