宇宙

2023.10.24 14:30

いま東の空で「夜明け前に金星」「日没後に木星」が明るく輝く

チリにある欧州南天天文台、ラ・シヤ天文台の上に明るく輝く金星(Z. BARDON (BARDON.CZ)/ESO)

夜と朝、空に輝くあの明るく白い星はなんだろう? あなたが早起きか、最近日没後に外へ出ることがあれば、東の空でとても明るい「星」をそれぞれ目にしているだろう。

あれは北極星(ポラリス)ではない。名前はよく知られている北極星は、空で48番目に明るい星にすぎない。

あれは、星といっても「恒星」ではなく「惑星」であり、全惑星の中でも特に有名な2つなのだ。

朝、東の空に見える「金星」

1月から9月まで、地球に最も近い金星は「宵の明星」として日没後の西の空を支配し、太陽のまぶしさに隠れるまで、かつてない明るさで輝いていた。

そして今は反対に、夜明け前に東の空高く「明けの明星」として姿を見せている。

現在、しし座の中でマイナス4.5等級で輝く金星は、10月24日に「西方最大離角」になる。それは天文学者たちが、朝の空で金星が太陽から最も遠い位置にあることを表す用語で、高度約46度、すなわち天頂までの約半分の位置となり、より多くの人々が簡単に金星を見ることができることを意味している。

明けの明星は数カ月間、比較的空の高い位置にいた後、来春にはまた太陽のまぶしさの中に沈み、来夏、日没後の西の空に「宵の明星」となって再び現れる。

金星の軌道を理解する

地球より内側を公転する内惑星である金星は、外惑星のように夜空全体を横断しない。実際、地球から見た金星は8年周期となり、その中で太陽を13回公転し、19カ月ごとに、満ち欠けしながら「明けの明星」と「宵の明星」を繰り返す。太陽を公転する地球から見ると、最も近い惑星である金星は、太陽のまぶしさと、日没後あるいは日の出前の空の間を行ったり来たりしているように見える。

夜、東の空に見える「木星」

今月、日没の数時間後に外へ出ると、東の空に明るい惑星が昇るところが見えるだろう。それが木星であり、現在、おひつじ座の中でマイナス2.9等級で輝いている。

NASAの探査機ジュノーは現在、木星を周回しながら、この巨大惑星と衛星イオの驚くべき画像を撮影している。一方、欧州宇宙機関(ESA)は、つい先日JUICEミッションを開始し、他の3つの巨大衛星であるエウロパ、カリストおよびガニメデをさらに接近して探索しようとしている。

双眼鏡で木星を見れば、4つの衛星が見えるはずだ(巨大惑星の前か後ろにいない限り)。

木星の軌道を理解する

外惑星である木星は、地球よりもずっと遅く太陽を公転している。実際、木星が1回の公転を完了するには12年かかる。そのため夜空全体を横断するところを見ることが可能であり、木星がいつ、どこで見えるかについては地球の位置が最大要因だ。

1年に1度、外惑星は太陽と地球の中間にくる。この瞬間を「衝(しょう)」と呼び、その惑星は1年で最も大きく、最も明るく見える。木星の100%を見られるのはこのときであり、日の入りに東へ昇り、日の出に西へ沈む。今年の木星の衝は11月3日で、今、夕暮れどきの夜空であんなに大きく明るく輝いているのはそれが理由だ。

forbes.com 原文

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