会員に登録するとほかにも恋愛スタイル、怒りの感情と向き合うアンガーマネージメント、睡眠スコア診断などさまざまな種類の心理診断にアクセスして、任意のタイミングで実践できる。
自社開発のAIテクノロジーを組み込む理由
Unlaceでは相談者とカウンセラーとのマッチングにAIのテクノロジーを採用している。どんなシステムなのか前田氏に聞いた。「モバイルアプリなどから相談者が自由に書き込んだ悩み事に対して、AIが解析を行って、カウンセラーによる過去のチャットのカウンセリングデータと照合します。相談者の悩みに似た案件を担当して高評価を得たカウンセラーをアプリが提案します」
例えば「夜に眠れない」という悩みを持つ相談者に対しては、不眠症のカウンセリングで高評価を得たカウンセラーを引き合わせる。相談者はカウンセラーのプロフィールを確認後、コンタクトを取りたい相手を決めることができる。AIによる足慣らしが手伝って、Unlaceの場合は登録後の1時間以内に約8割の相談者とカウンセラーのマッチングが成立するのだという。
カウンセリングの実施後も、相談者がUnlaceのサービスから良い体験が得られるよう、Unlaceの持つ強みであるデータ解析の知見を活かした「カウンセラーの仕事を支援するためのAIツール」も開発中だ。
カウンセラーの中には面談は得意でも「テキストを書くこと」が苦手なので、チャットのやり取りによって相談者に不快感を与えることが心配という人もいる。そこで過去のデータベースを元に、相談者から高評価を得たチャットの履歴を元にテキストの一部をAIが自動生成するツールの準備が進んでいる。
前田氏は「カウンセリングの質のボトムラインを上げることが狙い」だと話す。カウンセリングの質を高めて、顧客をさらに良い状態に導くことが狙いだ。一方で前田氏はAIに任せてしまうと顧客満足が持続しないため、「AIのみでカウンセリングを提供することは考えてない」と語っている。