50.退店時にナプキンは畳むな
几帳面な日本人は退店時にナプキンをキレイに畳みがちですが、これはNG。グシャっと適当に丸めてテーブルの上に放り出しておくのがマナーです。これは「料理があまりに美味しすぎて、感動でナプキンを畳むことすら忘れてしまいました」の意味となります。逆にピッタリと綺麗に折り畳んでしまうと「ぜんぜん美味しくなかったぽよ」というクレームを意味するサインとなってしまいます。51.女は店に感謝するんじゃなくてホストに感謝しろ
ゲストが給仕や料理人に対して「ごちそうさまでした」「ありがとうございました」と言うのも良いのですが、まずはこのような場を設けてくれたホストに対して最大限の感謝の意を伝えるようにしましょう。ゲストがホストに感謝し、ホストがお店に感謝するという構図が本来的です。お店にばっかり良い顔をする割にホストへの感謝が適当だと凄く寂しいし、お店側としても気まずいです。食後・退店時・別れ際・帰宅後のLINEで、最低4回はホストに感謝しましょう。52.女のコートは男が着せろ
「女のコートは男が脱がせろ」とコンセプトは同じです。男性がお店から女性のコートを受け取り、男性が女性に着せて差し上げて下さい。まとめ
何だかんだで50を超えるマナーを列挙することとなってしまいましたが、全くのド素人が全てを丸暗記して実践できるかというと、難しいと言わざるを得ません。テーブルマナーとは一種スポーツのようなものであり、思い出しながら取り組むものではなく自然と板につくものです。したがって後は練習あるのみ。常にこのマナー集を頭の片隅に置きながら外食を続けていけば、いずれ「なんだか店に値踏みされているようで居心地が悪い」と感じることは無くなるはずです。
最重要ポイントは、
レディ・ファースト
雰囲気に溶け込む
周りの人々に不快な思いをさせない
の3点です。これさえ守ることができれば、椅子は左からだのナプキンの畳み方だのと瑣末な論点は大目に見てもらえます。
逆に、この3点が守れていないと、いくら高級品を身につけていたとしても、いくら金払いが良かったとしても、「あの客は成金だからボってやっていいんだよ」と軽んじられるだけで、心のこもった対応を受けることは困難と考えたほうが良いでしょう。
テーブルマナーとは同一の空間に閉じ込められた他人同士が、お互いに不快な思いをさせないために自然に出来上がったルールです。どうか面倒臭がることなく、お店とお客、または客同士が一体となって、素敵な思い出を一緒に作ることができればと思います。
筆者=タケマシュラン。レストラン紹介メディア「タケマシュラン」運営。日本ソムリエ協会ワインエキスパート、SAKE DIPLOMA。C.P.A.認定チーズプロフェッショナル。