慶應義塾大学で「物の動きのデザイン」を研究している特別研究員RPDの三好賢聖氏は、深呼吸を誘導し習慣化させるデバイスを開発した。ほかの人や物の動きを真似したくなる「運動共感」という人間の性質を利用して、深呼吸しているような動きを見せるデバイスで、「さりげなく」深呼吸を誘うというものだ。
プロトタイプによるユーザーテストでは、集中力の維持による生産性向上、ストレスの軽減、深呼吸の習慣化という3つの効果が確認された。「呼吸リマインド」、「呼吸コーチング」、「呼吸カスタマイズ」という3つの機能で深呼吸を習慣化するということだ。テストに参加した人の話では、これを使うことで1日コンピューターで仕事をした後の変な疲れ方がなくなり、心地よい疲労を感じるようになったとのことだ。
スクリーン無呼吸症群は、Microsoftの幹部だったリンダ・ストーン氏が、2007年に自らの経験から提唱した言葉だ。電子メールを読んでいるときに呼吸が浅くなっていることに気づき、調査したところ、80パーセントの人に呼吸が乱れる症状が見られた。後に、電子メールの閲覧だけでなく、画面に向かっての作業全般で起こることがわかり、スクリーン無呼吸症候群と名称を改めた。
2024年にベータ版のリリースを予定している。現在は、これを「呼吸プラットフォーム」としたサービスや製品の共同開発パートナーを募集している。
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