5.生成AIは新しい行動を求めている
生成AIツールの使用を禁止することはできない。しかしできること、すべきことは、その使用に関するガイドラインを定めることだ。例えば、従業員に大きく分けて次の3つのことを義務付けよう。(1)結果を生成するために使用しているプロンプトを文書化する、(2)生成AIの出力を検証する(そして、検証したことを証明する)、(3)キーワードの使用、明快な見出し、altタグ付きのグラフィック、短い文章、書式の要件を含む社内文書ガイドラインを遵守する。これは難しい注文だ。だが、サウスステート銀行のニコルズによれば、「構造化されていない文書が、生成AIの不正確さの大部分を引き起こしている」のだという。
経営層の焦点も、20年代終わりまでに変化していくだろう。企業は過去10年間を、「デジタルトランスフォーメーション」の旅に費やしてきた。そこでは、口座開設やカスタマーサポートのような大量の取引プロセスをデジタル化することに、焦点が当てられてきた。だがそれは、IT、法務、マーケティングなど、組織内の知識労働者の生産性を高めることに変わりつつ(正確には広がりつつ)ある。
短期的には、人間の介入や監視なしに、生成AIツールに会社の運営を任せるのは愚かな振る舞いだ。質の悪いデータが多すぎて、「幻覚」が多発するからだ。だが長期的には、生成AIは「破壊的」で「ゲームチェンジャー」になるだろう。CEOは、こうした混乱や変化が組織にとってプラスになるよう、積極的に大きな一歩を踏み出す必要がある。
(forbes.com 原文)