ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)が、
ニュース記事へのリンク付き投稿から見出しを削除する仕様変更を行ったことを受け、一部のユーザーが記事にでたらめな見出しや説明文をつけて投稿し始めた。米起業家のイーロン・マスクによる買収後、進められているプラットフォーム改変の悪影響がまた出た格好だ。
マスク発案の変更によって、Xでは米国時間4日(日本時間5日)から、ニュース記事のリンク付き投稿はサムネイルの画像しか表示されなくなった。リンク先のドメイン名は画像の左下に小さく透かしで示されているが、見出しは画像をタップしてリンク先の記事を開かないとわからない。
Xでは変更後すぐ、ニュース記事へのリンクに偽の見出しなど添えて投稿するユーザーが相次いだ。中には、マスク本人に関する誤った情報を広めるものもあった。
マスクが逮捕されたとか、
ジョー・バイデン米大統領の再選を支持した、あるいは
事故死したといったものだ。
現時点で、Xでユーザーがニュース記事へのリンクとともに誤った情報を広めるのを防ぐ手立てはないようだ。マスクは変更後、この件について公にコメントしていない。
マスクは8月に、見出しをなくせばサイトの「見た目がとてもよくなる」と述べ、仕様変更の方針を認めていた。先月も「旧来メディアのプロパガンダはもうあまり読まない。時間の無駄だし、悲しみを生むだけだから」などとXに
書き込み、ニュース記事の投稿に関する変更をほのめかしていた。
一方、今回の改変は多くのユーザーから不評を買っている。とくにジャーナリストたちは、リンク先の内容を見分けるのが難しくなるとして
反発している。
ニュースメディアを含む企業は長年、自社のウェブサイトにトラフィックをもたらすためにXなどのソーシャルメディアサイトを利用してきた。だがマスクは、ニュースメディアサイトはXの競合相手だという認識を繰り返し示し、アルゴリズムは「Xでの滞在時間の最適化」を図っていると明らかにしている。
(
forbes.com 原文)