2023.10.01

ハイブリッド新「RS」の登場でフィットが小型セグメントをかき回す

ホンダ「フィット」に待望の〈RS〉シリーズが追加された。

ホンダ・フィットは、大衆車の代表的な存在として、2001年に登場した。4代目が出た19年には、なんと世界の販売台数が750万台を超えていた。何でそんなに売れたかというと、その構造とパッケージングに秘密がある。

フィットに乗ったことのある人ならわかるだろうけど、外観は小さく見えても室内は意外に広いし、フロアがフラットなので車内での移動が楽で、開放感を感じるし、しかもラゲージスペースには荷物もたくさん入る。その広い空間を可能にしたのは、全席の床下に配置する「センタータンクレイアウト」という特許を誇る燃料タンクだ。

また、その可愛いルックスも、男性や女性問わず誰にでも好かれる。ここだけの話だけど、フィットが登場した年に、日本最優秀車を選定する「日本カー・オブ・ザ・イヤー賞」の選考委員になったばかりの僕は、初代フィットを非常に高く評価したので最高の10点満点をあげた。

そういうフィットの4代目のラインアップに今年、待望の「RS」が復活した。




しかも、電動化が「旬」ということで、今回のRSに「e:HEV」のハイブリッド仕様が追加された。実は、ホンダがフィットの初ハイブリッド仕様を出してから、今年で13年になる。そのガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせる「e:HEV」仕様は、かなり受け入れられている。現在、フィットの販売台数の中で、ハイブリッドが65%で、ガソリンのみは35%の割合だ。

やはり、ハイブリッドは圧倒的な人気だ。正直なところ、こんなハイブリッドを利用したRS「e:HEV」のようなスポーツ・ハッチバックこそ、フィットのラインアップに必要だったと思う。つまり、ラインアップに「華」が必要だったのだ。乗ってみると、RS「e:HEV」はかなりキビキビ走れるので、非常にファン・トゥ・ドライブだ。

さて、この復活したRS「e:HEV」仕様はどんなクルマなのか。

過去にもRSはあったものの、人懐こいスタイルや走りのよさを重視したという4代目フィットは「ベーシック」、「ホーム」、「リュクス」、SUV風味の「クロスター」、そして「ネス」という5種類の豪華なバリエーションが用意されていたのに、スポーティーな「RS」は設定されていなかった。
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