専用の足まわり設定を誇るRSだけど、スポーティーな走りというより、気持ち良く上質になった印象で、ステアリングもハンドルを切った分、丁寧にライン通りにコーナリングしてくれる。乗り心地もライバルのヤリスには負けていない、というより、こんなにしっかりした乗り心地なら、フィット全車種に応用してもいいのでないか。
実のところ、フィットは小型セグメントでは少し苦戦している。というのは、現行型ホンダ・フィットは同時期にモデルチェンジした大ライバルの「トヨタ・ヤリス」に思いのほか水を空けられているのだ。例えば、23年2月には、ランキング1位のヤリスの販売台数15,700台に比較して、ランキング15位のフィットは5500台だった。
22年前の初代フィットを高く評価したけど、このハイブリッドのRS「e：HEV」もそれ以上だと思った。大人っぽくドレスアップしたルックスも良いし、走りもキビキビしている。しかもあのルーミーで開放感を誇る室内パッケージングは立派なもの。これならフルスペックの260万円という価格はリーズナブルではないか。
（e:HEV RSの主な諸元）
全長：4080mm／全幅：1695mm／全高：1540mm／W.B.：--mm／車両重量：1210kg／定員：5名
総排気量：1496L／最大トルク：127kW[13.0PS] /4500-5000
駆動方式：FF／電動式無段変速機
タイヤまわり：RS専用デザイン16インチアルミホイール＋ラジアルタイヤ
安全装備等：Honda SENSING／前席用i-サイドエアバッグシステム＋サイドカーテンエアバッグシステム〈前席/後席対応〉
国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>
