差別化を図るため、RSには専用バンパーやメッシュ・グリル、それに専用の5ツインスポークのアルミホイールと「RS」のエムブレムもつく。内装には、2本だったステアリングホイールのスポークがスポーティな3本に代わり、また、専用セッティングの足回りを備えている。正直にいうと、この格好良くてさりげない化粧直しで260万円は手頃だと感じた。だって、走りも良いから。
フィットは「e:HEV」というホンダ自慢のモーター駆動優先のハイブリッド仕様に加え、ガソリンエンジン仕様も設定され、さらに全車に前輪駆動/4WDが用意されるという幅広いラインナップ。いっぽう、新しいRSは前輪駆動のみとなる。
今回のマイナーチェンジではe:HEV用の1.5リッター4気筒アトキンソンサイクルエンジンもモーターもパワーアップされ、エンジンの最高出力は従来の72kWから78kWへ、走行用モーターは80kWから90kWへ、さらに発電用モーターも70から78kWに強化されている。忘れる前に伝えておこう。27km/リッターという燃費(WLTCモード)もこの小型クラスではなかなか優秀なほうだ。
ハイブリッドの意識が強いこの4代目のRSは、「昔ながらのホットハッチではない」と言っておこう。確かに、パワーアップした分は加速性はよくなり、アクセルを踏んだ時のレスポンスは普通のフィットより軽快だけど、高回転域ではエンジン音が多少耳につくかも。それが気になる人もいれば、スポーティに感じる人もいるだろう。
ダッシュボードには、エコ/ノーマル/スポーツを切り替えるドライブモードスイッチが新設され、ステアリングホイールに回生ブレーキのレベルを切り替える4段階の減速セレクターが備わったのが特徴だ。この機能は使いやすいし効果的だ。特にスポーツモードに入れると、アクセルのレスポンスがさらに鋭くなるし、足回りも多少スポーティになるので、運転がよりエンジョイできる。