今こそ国が一つになり、国産品の安全をアピールするチャンス
食べチョクには、今回の漁業者支援の動きを知った業界の関係者から、賛同の声が寄せられている。「同じ業界の経営者の方から、『励みになりました。自分たちもしっかり応援していきたいです』とご連絡をいただくこともありました。一緒にやりたいとおっしゃってくださる企業さんも何社かあり、業界に応援の流れが生まれていることは非常に嬉しいですね。当社はスタートアップなので、前例を意識せず、素早く信念に基づいたアクションを取れることが強みです。そんな当社の動きは、業界の他社さんが意思決定をするうえでの判断材料にしていただける可能性があると思っています」(秋元)
さらに、中国や韓国が処理水放出に激しい反応や非難の姿勢を示している状況を、秋元は冷静に捉えていた。
「全国に嫌がらせの電話がかかってきたり、風評被害が生まれている事態は本当に残念ですが、逆に、今こそ国産食材の安全性をアピールするチャンスです。最近では国内で魚離れが進んでいて、漁業は厳しい状況に置かれています。今は漁業を応援する動きがあるので、その文脈の中でも、多くの方に日本の水産物の魅力を届けていきたい。日本全体で一致団結して、食材、業界に限らず、漁業を盛り上げていきたいですね」(秋元)
秋元里奈(あきもとりな)◎1991年生まれ 神奈川県相模原市の農家に生まれる。慶應義塾大学理工学部卒業。DeNAにてwebサービスのディレクター、営業チームリーダー、新規事業の立ち上げ、スマホアプリのマーケティング責任者を経験。2016年11月にビビッドガーデンを創業し、農家や漁師が消費者に直接商品を販売できる産直通販サイト「食べチョク」を立ち上げ。著書に「365日 #Tシャツ起業家 「食べチョク」で食を豊かにする農家の娘」(KADOKAWA)。