次世代マーケティングは、単なる売り買い以上のものでなくてはならない。ペットを飼うといった単純なことであっても、若者世代は、同じ価値観をもち、自分たちの目標を理解し、暮らしになじむブランドを探している。
「若者世代にとってブランドストーリーは、価値提案と同じくらいか、それ以上に説得力をもち得る」とアーマンはいう。
こうしたコンセプトは珍しいものではない。若い消費者は「購入する製品をきっかけに、自分がどんな人間で、自分にとって大切なのは何かを理解しようとする傾向がある」と話すのは、一流の経営者と起業家で構成されるフォーブスカウンシルの一員、レベッカ・ブルックスだ。Z世代とミレニアル世代の68%が、自分が購入した製品は「自分の性格と価値観、信念を反映している」と回答したという。
具体的な展開
ノムノムは、ミレニアル世代とZ世代が、健康に対して意識的であり、積極的に行動するようになっていることを認識している。しかも彼らは、自分自身だけでなく、ペットについても健康に留意している。ノムノムは、新規顧客がドッグフードのデリバリーサービスを申し込む際に、飼っているペットの健康状態についてアンケートを実施し、情報を収集している。そうして集めたデータから得たインサイトをもとに、お勧め商品を選んだり、個別のメールキャンペーンを実施したり、さまざまなマーケティングコンテンツを提供したりしている。
また、飼い犬向けのお勧めレシピの提供や、飼い犬の健康状況に応じた食事量の提案を行っている。同社ウェブサイトには、犬を飼い始めて間もない人から、長く飼っている人まで、すべての人に役立つ情報が満載だ。子犬からシニア犬まで、どんな犬でもぴったりのドッグフードを見つけることができる。
ノムノムは、顧客がよく集まる場に積極的に顔を出す。「顧客がすでに集まっている場に、同じような方法で姿を見せる必要がある」とアーマンは話す。「それはたいていデジタルプラットフォームだ。デジタルプラットフォームなら、信頼のおけるインフルエンサーと連携して、親しみが持てて、つい引き込まれる方法でブランドストーリーを伝えることができる」