若者世代の心をつかむ「聞くこと」を重視するマーケティング、ペットフード企業の知恵

Getty Images

いまどきの若者世代は「ペットを飼うことの意味」を書き換えている。だからマーケターたちは、ペットと暮らす若者世代に対して、どのようなメッセージを発信してリーチすればいいのか、見直す必要がある。

若者世代はトレンドセッターだが、その行動を予測するのは得てして難しい。そんな若者世代への売り込み方を心得ている企業には、いつも感心させられている。ミレニアル世代の心を動かすものは何か、朝ベッドから起きようという気持ちをZ世代に起こさせるものは何か。それを理解するのは容易ではない。

だからこそ、生鮮および冷凍のペットフードデリバリーを手がける革新的企業Nom Nom(ノムノム)の最高マーケティング責任者(CMO)、アリソン・アーマンと話す機会が持てたことを大変うれしく思っている。

アーマンはノムノムで、次世代消費者の関心を集め、同社製ペットフード愛用者のロイヤルティ獲得を目指すマーケティング戦略を統括している。以下では、アーマンとの会話から学んだ、次世代に向けたマーケティングの知恵をいくつか紹介しよう。

ターゲットオーディエンスを理解することが第一歩

アーマン率いるチームは、次世代オーディエンスを対象にしたマーケティング戦略をどうやって練り上げているのだろうか。筆者はアーマンに尋ねた。

「対象オーディエンスを理解することは、マーケティングを成功に導く上で何よりも重要だ」とアーマンは述べる。理解すべき範囲は、基本的なデモグラフィックや、従来型の市場調査にとどまらない。マーケターは、典型的な顧客はどのような生活を送っているのか、顧客を行動へと突き動かすのは何なのかを深く理解する必要がある。

アーマンはこう話す。「顧客はどのような日常を過ごしているのか。どのような目標があり、どのような問題を抱えているのか。顧客が夜も眠れなくなるほど悩んでいることは何か。顧客は何をもって成功だと判断するのか。顧客の満たされていないニーズを真に理解できれば、感情的なつながりが生まれ、その空白を、製品やサービスでどう満たせばいいのかがわかってくる」

筆者はこの答えを受けて「基本的なデモグラフィックにとどまらないことを理解するとは、具体的にはどういうことか」と尋ねた。
次ページ > ノムノムの具体的な展開

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事