2. エネルギーを充電することで、全体の生産性が上がる
「最低限の仕事しかしない月曜日」と聞くと、懐疑的な見方をする人にとっては特に、身勝手で非生産的な習慣だと思えるかもしれない。しかし、うまく取り入れれば、燃え尽きを防止し、集中力を高めてくれるので、実は仕事のパフォーマンスが向上する可能性がある。「最低限の仕事しかしない月曜日」を提唱・実践するメイズは、ニューヨーク・ポスト紙に対し、自ら感じた心の変化を明かしている。この習慣を始める前は、週の始まりである月曜日から、すでに燃え尽き、自分は非生産的だと感じていたという。生産性が低いような気がしていらだったメイズは、状況を何とかしようと、ToDoリストにやるべきことを次々と書き加えていたという。
しかし、月曜日の習慣を変えたところ、好ましい変化が生じ、生産性が全般的に上がったことに気がついた。
こうした効果を裏づける研究結果はいくつかある。例えば、スウェーデンの労働者を10年にわたって追跡調査した結果をまとめた2021年の研究では、労働時間の短縮が、ストレスの低下、疲労感の軽減、否定的な感情の緩和につながったことが示された。
また、2017年に発表された同じくスウェーデンの研究では、労働時間を25%短縮したところ、睡眠の質が向上し、ストレスレベルが低下したことがわかっている。
ちょうどいま、世界では、週4日勤務制といった、より健全な労働慣行が、少しずつではあるが導入されている。仕事を積み重ねオーガナイズするやり方に関して、ハッスルカルチャー的な在り方を疑問視し、それが本当に自分たちのためになっているのかどうかを評価するのは自然なことだ。
穏やかでマインドフルな月曜日は、火曜日以降も100%のエネルギーで働くために必要なのかもしれない。「最低限の仕事しかしない月曜日」を実験的に試してみてもいいだろう。「長く働けば働くほどアウトプットも増える」とは限らないという真実に早く気づけば、自分にとって効果的なシステムへと近づいていくことができるだろう。
まとめ
生産性が重視される文化において、ワークライフバランスの実現は、絶えず取り組んでいくべき課題だ。「最低限の仕事しかしない月曜日」のようなトレンドは、自分の優先事項を再検討するよう促している。容易なタスクから取りかかる「イージーマンデー」などの柔軟な働き方は、バーンアウトを防止し、仕事への満足度を高める可能性があることが、研究で示されている。
企業側は、こうした動きをなかなか取り入れないかもしれない。だったら、個人個人ができることを実践すればいい。「最低限の仕事しかしない月曜日」は、平凡に甘んじようとする動きではなく、バランスを得るための取り組みなのだ。
(forbes.com 原文)