音楽

2023.09.20

米国の音楽売上高、2023年上半期は過去最高の1.2兆円

米国の今年上半期の音楽作品の総売上高(推定小売価格ベース)が過去最高の84億ドル(約1兆2400億円)となったことが、米レコード協会(RIAA)が発表したレポートで明らかになった。前年同期比9.3%増となり、9年連続で増加している。

売上高増の最大の要因は有料サブスクリプションで、ストリーミング売上高の78%を占めた。

RIAAのミッチ・グレイジャー会長兼最高経営責任者(CEO)は「音楽業界が繁栄し、成長していることが今回のレポートに現れている。新たな高みに到達し、文化を形成し続けている」と説明。「今日の前向きで革新的な音楽コミュニティにおいて、音楽を生み出し、ファンや聴衆に接するすべてのアーティストやソングライター、レーベル、出版社などの創造的な才能と努力を反映している」と語った。

米国で最も人気な音楽の消費形態は、引き続きストリーミングとなっている。ストリーミングの売上高は前年同期比10.3%増の70億ドルで、音楽作品全体の84%を占めた。有料ストリーミング利用者数は、今年上半期で11%増加。音楽ストリーミングにお金を払う人の数は、過去5年間で倍以上になった。

レコードやCDといった物理メディアの売上高は前年同期比5%増の8億8200万ドルと、2013年上半期以来の高水準となった。レコード盤は相変わらず人気で、売上高は6億3200万ドルに達し、物理メディア全体の72%を占めた。

その他、注目すべきこととしては、有料サブスクの売上高の伸びがアカウント数の伸びを上回ったことが挙げられる。有料サブスクリプションの総売上高は11%増の55億ドルだったのに対し、アカウント数の伸びは6%にとどまった。音楽作品の総売上高の3分の2近く、ストリーミング売上の4分の3以上が有料サブスクからのものだ。

有料サブスク利用者は引き続き増加したが、そのペースは例年より緩やかだった。今年上半期の平均サブスク契約数は9580万件だったのに対し、前年同期は9000万件だった。ここで言う「サブスク契約」には各種制限付きの有料サービスは含まれておらず、一つのアカウントを複数のユーザーが共有できるプランについてはユーザー数ではなくアカウント数を計測している。

デジタル音楽のダウンロード売上高は引き続き減少し、前年同期比12%減の2億2500万ドルだった。デジタルアルバム売上高は同12%減の1億700万ドル、個々の楽曲の売上高は同14%減の9700万ドル。音楽作品売上高にダウンロードが占める割合はわずか3%だった。

米レコード協会のレポート全文はこちらで公開されている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子・編集=遠藤宗生

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