音楽

2023.08.03 10:30

Lizzoに「体重増なじられた」 ダンサーがセクハラで提訴

遠藤宗生

2023年2月23日、オランダのアムステルダムでの公演でダンサーをバックに歌うLizzo(Ben Houdijk / Shutterstock.com)

米人気歌手Lizzo(リゾ)からセクシュアルハラスメントを受けたり、敵対的な職場環境に置かれたりしたとして、元ステージダンサー3人が1日、Lizzoらを相手取った訴訟をカリフォルニア州の裁判所に起こした。

原告は、Lizzoのツアー会社で働いていたクリスタル・ウィリアムズ、アリアンナ・デービス、ノエル・ロドリゲスの3人。ロサンゼルス郡上級裁判所に提出された訴状ではLizzo(本名メリッサ・ビビアン・ジェファーソン)について、敵対的な職場環境型のセクハラの予防や是正をしなかったほか、暴行や障害者差別といった行為にもおよび、カリフォルニア州の公正雇用住宅法(FEHA)に違反したとしている。

訴状によれば、原告のひとりはオランダ・アムステルダムのクラブでLizzoから、裸のパフォーマーの体に触れるよう強いられた。デービスは、Lizzoから体重の増加をなじられて恥をかかされたうえ、解雇された。ロドリゲスがLizzoにデービスが解雇された理由をただしたところ、Lizzoは「攻撃的な身体接触」を起こそうとしたという。

原告は、Lizzoがホスト役を務めるリアリティー番組「リゾのビッグスター発掘」についても、コンテスト出場者は「過度に性的な雰囲気」にさらされており、こうした雰囲気は職場にまん延していると主張。出演した際にヌード撮影会に参加するよう圧力をかけられたとも訴えている。

原告は陪審裁判を求めている。

この訴訟ではLizzoのダンスチームのキャプテン、シャリーン・クイングリーも被告になっている。原告は、クイングリーがほかのダンサーたちの婚前交渉をとがめたり、自分が信仰する宗教を「あらゆる機会に布教」したり、あるダンサーが処女であることについて公開のインタビューやソーシャルメディアで語ったのはレリジャス(宗教的)ハラスメントにあたり、FEHA違反だと主張している。

クイングリーのこれらの行為をLizzoが認識していたかへの言及は訴状にないが、原告の代理人を務めるロン・ザンブラノ弁護士によると、原告はLizzoも知っていたはずだと考えているという。

フォーブスはLizzoのマネジメント会社と所属レーベルのアトランティック・レコードにコメントを求めている。

Lizzoはシングル「About Damn Time」が今年のグラミー賞の年間最優秀レコードに選ばれ、これを含めグラミー賞を4回受賞している。スターダムにのし上がった一因は、ありのままの自分の体を受け入れる「ボディー・ポジティブ」を積極的に擁護する姿勢にあった。

ザンブラノは「Lizzoとそのマネジメントチームによるダンサーの扱い方はぞっとするものであり、Lizzoが公に支持していることにまったく反しているように思える。彼女はプライベートではダンサーに体重を恥じさせ、違法なばかりか、やる気もなくさせるような仕方でおとしめている」と批判している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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