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2023.09.12 18:15

世界最大級の救出劇、トルコの洞窟で体調不良の米国人探検家が地上へ

Mustafa Unal Uysal/Anadolu Agency via Getty Images

米国の洞窟探検家、マーク・ディッキーが、トルコの深い洞窟から救出された。同氏は体調不良のために、約9日間身動きがとれない状態だったとトルコ洞窟探検連盟は発表し、同連盟が「論理的にも技術的にも世界最大級」と呼ぶ洞窟救出劇は終わった。

ディッキーは現地時間9月12日深夜過ぎ、洞窟から救出隊によってストレッチャーで運び出されたという。

この救出は、ディッキーがトルコ南部のモルカ洞窟を1000m以上降下した地点で消化管出血を発症し、自ら地上に戻ることができなくなったことを、欧州洞窟救助協会に伝えてから1週間以上経った後のことだ。トルコ国内およびハンガリー、ブルガリア、イタリア、クロアチア、ポーランドおよび米国など世界各国から救助員が集結した。

ディッキーはニュージャージー州在住の40歳で、米国洞窟救助委員会の研究者兼インストラクターを務め「国際的洞窟学コミュニティでよく知られた人物」だと、欧州洞窟救助協会は説明している。

同氏は14名の探検隊の共同リーダーとして、モルカ洞窟の新たな通路の地図を作ろうとしていた。洞窟の深さは1274mで、エンパイアステートビルを縦に3つ積み上げた高さに相当する。体調を崩したディッキーは咳き込み、便に出血を認め、嘔吐し、血液循環が悪くなり半ば意識不明になっていた。複数の団体の救助員らが洞窟を下ったが、技術的に移動が非常に困難な場所であり、ラペルロープと高度な登山技術が必要だった。救助隊は複数の段階に分けてディッキーを洞窟から引き上げた。

200人以上の作業員が、ディッキーを洞窟から引き上げ救出作戦を完了するまに関わったという。

トルコ災害緊急事態対策庁長官のレセップ・サルシはNBC Newsのインタビューに対して、地上への移動を容易にするために、救助隊は洞窟の一部を爆発物で破壊したと語っている。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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