「私たちは、ランボルギーニの統合ドライビング・ダイナミクス制御をまったく新しいレベルに引き上げようとしています。これは、これまでの市販スポーツカーでは不可能だったことで、お客様にまったく新しいドライビング・エクスペリエンスを提供するもの」と、彼は主張し、最近開発されたLDVI(Lamborghini Dinamica Veicolo Integrata)ドライビング・ダイナミクス制御について言及している。
クルマのハンドリングを正確に制御するために、これまで以上に多くのセンサーとアクチュエーターが作動し、ミリ秒単位で通信している。「アクティブeトルク」はリア左右の2輪間にトルクを適度に送り、システムは前後のアクスル間にトルクを瞬時に伝達することができる。
いっぽう、エクステリア・デザインについて、デザイン責任者のミティア・ボルケルトは、「新型カウンタック、セスト・エレメント、ムシエラゴにインスパイアされたもの」だという。
正直なところ、ランボが初のEVをデビューさせると聞いた時には、僕は心配した。今までのエッジーで戦闘機みたいな代表的な外観からうって変わって、普通っぽいEVが登場するのでは?と思ったからだ。ところがなんと、ウルスに負けない迫力100%のルックスで現れた。多くのファンも安堵のため息を吐いたことだろう。
ボディは確かにランボ伝統のロー&ワイドだけど、高めのスタンスと23インチの巨大なホイールには慣れが必要だろう。両端には、アクティブエアロが巧みにボディ下に隠されており、コーナーでダウンフォースを増大させ、必要なときには空気を流して抵抗を最小限に抑え、航続距離を伸ばし、そして高速を可能にする。
インテリアはエクステリア以上に先鋭的で、センターコンソールは、運転席と助手席を隔てるY字型になっている。これは単なる室内デザインを超え、現代アートと呼べると思う。はっきり言って、ガソリン車から受け継がれているスタートボタンのポップアップカバーは不要だけど、こんな贅沢で劇的な捻りは格好良い。逆にこういうものがなければ、ランボではなくなるはず。
また、ドライバー用の計器スクリーンに加えて、助手席の人が遊べる2つ目のスクリーンがある。素材には、メリノウール、持続可能な本革、3Dプリントされたリサイクル可能なフォームが使われている。
ランボルギーニは、SUVのウルスを出して大成功を収めた。2023年上半期の販売台数は5,341台で、2022年に比して5%増となっているが、ウルスがその6割と大きく貢献している。それに続くランザドールも、かなり上手くいくような気がする。
なにしろ登場が待ち望まれていたランボ初のEVだ。ランザドールは、間違いなく宇宙船ほど際立ったクルマだし、スーパーカー並みの性能を誇るEVが、世界をアッと言わせるに違いない。
国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>