「いる」と言うべきか、「いた」と言うべきか。そう、モデルS プラッドが失脚したのだ。イーロン・マスクの悪夢がついに現実となった。ドラッグストリップの新たな王者は、3電気モーターで1200ps超を誇る「ルシード・エア・サファイア」だ。
ルシードは、2007年に設立されたカリフォルニア州にあるスタートアップのEVメーカーだ。最初の2台のEVは、ルシード・エアとドリームで、この後、もうひとつ電気モーターを追加して、より高速なサファイアが来春発売される予定だ。
しかも、ルシード・エア・サファイアは、テスラより上品なインテリアを備え、より高速で充電ができ、航続距離もより長い。これこそは、マスクの座を奪う最も果敢な挑戦だ。さらに静粛性が優れ、快適なシート、より大きくて便利な電動開閉式のフランク(フロントのトランクのこと)を備えた5人乗り。
さて、先々週、Youtubeの人気チャンネル「ハガティ」のプレゼンター、ジェイソン・カミーサが、サーキットでルシード・エア・サファイアのライバルとして、モデルSプラッド、そして非EVの代表として8.0リットルW16気筒+4ターボエンジンの化け物ブガッティ・シロン・ピュール・スポーツ、そして2輪の代表としてドゥカティ・パニガーレV4 SP2を並べ、それらを自由に加速させた。
その結果は、目玉が落っこちてしまいそうなものだった。
最初のバトルでは、サファイアは3モーターを搭載した1,020psのプラッドと1,479psのシロンが対戦した。予想通り、ルシードが圧勝した。サファイアはプレイドより270kg以上重いかもしれないが(シロンより450kg重い)、3つ目のモーター、追加された馬力、そして見事に設計された全輪駆動制御のパワーデリバリーのおかげで、ルシードは文字通りテスラやブガッティに後塵を見舞ったのだ。
正直なところ、エア・サファイアとモデルSプラッドの0-100km/hの加速は、全く同様の2.1秒だった。しかし、いわゆる「ゼロヨン」、つまりゼロから400メートルまでの加速テストでは、モデルSプラッドの9.3秒に対して、ルシードはなんと9.1秒!
サファイアは0-100km/hまでテスラと同じタイムで疾走し、その後テスラを力強く引き離し、ゼロヨンで9.1秒という市販車世界新記録を樹立! ちなみに、シロンも9.3秒。