実用化されにくい理由
世界中で研究が進められているにも関わらず、いまだにプラスチックを食べる微生物が有効活用されていない理由は、コストや手間、一定の環境条件が必要になるからだとされている。
また、研究者の間では、既存の微生物に悪影響を及ぼさないか、異なる環境下で微生物が効果を発揮できるのか、などの疑問点が残っている。
これらの疑問が解消されて実用化されれば、プラスチック問題の解決に大きく近づくはずだ。
ここからは、日本のプラスチック問題の現状を見ていこう。
世界でNo.2のプラスチックごみ排出量
日本は世界で2番目にプラスチックごみを排出しており、その量は年間約850トン。プラスチックのリサイクル率は80%を超えているため、高い数値を残していると思いがちだが、このうちの60%はサーマルリサイクルと言われる、廃棄物を燃やして得られる熱を回収する方法でリサイクルされている。
プラスチックとして再利用される分は20%しかなく、国際的な基準で見たときのリサイクル率は低くなっているのだ。
深刻な海洋汚染
海洋ゴミの6割以上を占めているのがプラスチックごみだ。環境省の調べによると、毎年2〜6万トンのプラスチックごみが日本から発生したものだと推定されている。
これらのごみの8割は、町で捨てられたあとに水路や川を流れ、海に流出したもの。
このままプラスチックごみが増え続けると、2050年には魚よりもゴミの量のほうが多くなると予想されている。
私たちにできること
私たちにできることは、研究が進んで実用化につながることを期待しつつも、できる限り生活の中でプラスチックを出さないようにすること。エコバッグやマイボトルを持ち歩くだけでなく、固形石鹸を使ったり、裸売りの野菜を選んだり... できることはたくさんあるはずだ。
無理なく楽しく、プラスチックフリーな暮らしを目指して取り組んでいこう!
【参考】
・BBC NEWS JAPAN
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-43794828
・東京エレクトロン
https://www.tel.co.jp/museum/magazine/news/200.html
・Wealth Road
https://wealthroad.jp/archives/6447
・ナゾロジー
https://nazology.net/archives/87019
・WIRED
https://wired.jp/2015/01/06/food-plastic-eating-mushrooms/
・公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会
https://nacs.or.jp/honbu/wp-content/uploads/2021/10/kurasi-no-hinto_2109_04_15_theme-12.pdf
・日本財団
https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2020/43293/ocean_pollution/
※この記事は、2023年2月にリリースされた「エシカルな暮らし」からの転載です。