ロシアと戦うウクライナを支援する北大西洋条約機構(NATO)の加盟国は、そのうちの少なくとも9つの旅団を欧米製の装甲車両で武装させ、NATOの施設でその基準に合わせて部隊を訓練した。
反攻開始から10週間が経過し、ウクライナ軍はほぼすべての旅団を投入した。どれくらいの間、徐々に前進し続けられるかは、新設の旅団をあといくつ予備として温存しているかにかかっているかもしれない。
未投入の旅団はわずか5つで、さらに独立した大隊がいくつかあるようだ。5つの旅団のうち2つは国家警備部隊か領土防衛部隊だ。
そして第44機械化旅団はポーランドで同国製のウルヴァリン戦闘車両を使った訓練を行っており、ウクライナ軍の反攻を受けてロシア軍が反攻を開始した北東部に少なくとも1つの大隊をすでに配置した可能性がある。
これまで投入されていない他の3つの旅団のうち、第61旅団が最も準備が整っているかもしれない。同旅団は予備の軽装備の歩兵部隊として2015年に編成され、それ以来、着実に装備を強化してきた。直近では、チェコ製の強力なロケットランチャーが加わった。永続的に参戦することのない旅団に装備して無駄にするような武器ではない。
第61旅団は2015年に、ロシアによるクリミアとウクライナ東部ドンバス地方への侵攻を受けて設立された。ウクライナ軍は必死に動員をかけて新しい旅団を編成し、旧ソ連の兵器で武装させた。
同旅団を編成するためにウクライナ軍参謀本部は、米国の陸軍州兵に相当する領土軍に属する3つの歩兵大隊を再配置。約2000人の元領土軍兵を擁する同旅団は当初、陸軍の予備軍団としてキーウのすぐ北に位置するチェルニヒウ州に野営した。
当初、大した動きはなかった。だが、そうこうするうちに同旅団はより本格的な装備を手に入れ、2019年には予備軍から現役軍に移行。本部も北部ジトーミル州に移した。同時に、第61猟兵旅団という新しい名称も与えられた。