第61旅団は猟兵旅団として昨秋、南部戦線で戦った。より重装備の機械化旅団が北東部ハルキウ州から消耗したロシア軍の連隊を掃討する一方で、第61旅団を含む軽装備の編隊は南部のドニプロ川河口に位置するロシアが占領するヘルソンに向かって突き進んだ。
ヘルソン作戦を象徴する瞬間の1つは、第61旅団の偵察兵がウクライナ空軍のスホーイSu-24爆撃機2機を低空爆撃に誘導し、ロシア軍の戦車を撃破したことだ。
ヘルソン解放後、第61旅団は東部ドンバス地方に配置された。どうやら同旅団が東部を離れていた間に、名称は機械化旅団に変更されたようだ。ウクライナのゼレンスキー大統領は昨年12月に、防衛における犠牲を称えて同旅団に戦旗を贈った。
第61旅団が突然、機械化旅団となった理由は明白だ。BRM-1を保持しつつ、チェコ共和国が供与したRM-70ロケットランチャーを獲得したのだ。
RM-70は重量が37トンある大型の発射機搭載車両で、122ミリロケット弾40発を最大約51km先まで発射できる。小型のBM-21発射機と比較して、迅速に再装填できるよう予備のロケット弾40発を搭載しているというのがRM-70の主な優位点だ。RM-70は80発のロケット弾で迅速に約2万8000平方メートル超の地域を攻撃できる。
第61旅団は、頼もしい装備と大量の長距離火力を備えた経験豊富な部隊だ。反攻的な第115機械化旅団とは違って第61旅団は戦闘で頼りになる存在で、懸命に戦う。
では、第61旅団はどこにいるのか。同旅団の広報担当は直近では4月と6月に、戦闘地のはるか後方と思われる場所での実戦訓練について発信した。
第115旅団が小休止に入り、新設の第44旅団がすでにポーランドの訓練場から大隊を配備し始めていることから、第61旅団が現在どこにいるにせよ、ウクライナ軍の反攻作戦に参加する最後の未投入の現役部隊になる可能性がある。
(forbes.com 原文)