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2023.08.25 12:30

ヤフーや楽天は過去に撤退 「ライブコマース」がいま注目のワケ

配信者の多くは一度で3〜4時間ライブをする。それでも「自分についての話しはもちろん、商品やコメントに対して双方向のコミュニケーションで話題を展開するので、視聴者を飽きさせず、話し続けることができるんです」と藤瀬は言う。

ピースユーライブを使う配信者は、企業と個人が混在しているが、配信者と購入者は、どちらも30代〜50代の女性が多い。日用品、食品、アパレル、コスメなど多様な商材が販売されている。

売れる商材は、衝動買いしやすい商品だ。

「ブランドバッグなど、高額商品の購入もありますが、特に売れやすいのは機能比較をすることのないさくっと買えるもの。暇つぶしや、エンタメとして見ている人も多いので、ライブ中に買う決断をできる商材は、より相性がいいですね」



加えて、ピースユーライブには「オークション機能」がある。時間限定の入札方式を取ることで、エンタメ性をさらに高めると同時に、時間内での購入判断を後押ししている。

EC支援先の商品を、ライバーが販売

ピースユーライブは、M&Aにより2023年2月にEC支援を行う「いつも」にグループイン。いつもが抱えるEC支援先企業の商品を、ピースユーライブの配信者に販売を依頼するケースも増え始めている。

「商品の調達に悩む配信者さんが多くいます。売るスキルに長けているのに、売るものがないといった方に、いつもの顧客を繋ぎ、商品調達を支援しています。配信者は、在庫を抱えるリスクがなく、ライブコマースに集中できます」

売れる配信者は、コミュニケーションに長けており、企業と視聴者双方が求めるものを察知するのがうまい。商品販売を託す企業の満足度は高く、トラブルなども起こっていないという。

CtoCサービスの台頭で、誰もがモノを売れる時代になった。ピースユーライブが目指すのは、誰もがライブコマースを行う社会だ。同社の推計では、日本のライブコマースの市場規模は、2021年が3900億円、そして2027年には約5900億円に拡大するという。

「まだまだポテンシャルだらけ。配信者と視聴者の裾野をさらに広げ、ライブコマースのインフラを目指します」

文=井澤梓 編集=露原直人 撮影=曽川拓哉

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