こんなことを書くと本物の天文学者には笑われてしまうかもしれませんね。
顧客接点としてのUI/UX
私は大学時代は、天文学で研究室に残りたいと思っていました。しかし、留学させてもらう条件は大学を卒業したらまず就職する、というものでした。しばらくの予定で実業界に身を投じたら、これが案外おもしろかった。天文学とビジネスのアプローチの意外な共通点に気づくことができたのも、働き始めて数年経った頃です。加えて、天文学を学びながら天体観測の困難さを知っただけに、ユーザー行動を「観測」することの難しさもそれになぞらえて理解できる。その経験を活用して、行内のみならずひろくデジタルマーケターの方たちに、観測と仮説検証のサイクルを身をもって知っていただき、より高速で回転できるようになって欲しいと考えています。機械に助けてもらいながら人間しかできないことに頭を使う、と言うことです。
顧客接点としてのUI/UXはとても重要で、これでリテンションも変わります。しかし研究者のツールでは疎かになりがちです。
カリブ海の島、プエルトリコにアレシボ天文台(Arecibo Observatory)という電波天文台がありました。1963年に完成した口径305メートルのアレシボ望遠鏡は、映画「CONTACT」でも登場します。かつてAlexaの仕事をしていた時、Alexaで自動制御できる天文台を作れたらAlexa天文台と名付ければいい、と仲間たちに話して、呆れられたものです。ある方の意思を継いで標高1000mにある観測施設で天体観測を計画していますが、リモート天文台への道はまだ遠し、ですね。米大学の研究に協力して観測データを採取開始したところですが、かつての先輩諸氏にアドバイスいただきながら真面目にやっていますよ。
いつか声でリモート観測できる天文台が組み上げられれば、「アレクサ天文台」として論文を出せれば楽しいですよね。