BaiduのErnie Bot、AlibabaのTongyi Qianwen、SenseTimeのSenseChatは、今のところ、中国が提供する最も代表的な生成AIチャットボットです。
これらのチャットボットは、OpenAIがChatGPTの有料ユーザー向けに開発した最新技術であるGPT-4と比較されることが多く、GPT-4と同様に、いずれも企業の業績や生産性を向上させるために、マルチモダリティ(複数の入出力形式)と自社または外部のソフトウェアとの統合サポートを提供、もしくは今後提供する予定です。
図4は、GPT-4、Ernie Bot、SenseChat、Tongyi Qianwenを比較した一覧です。
図4. GPT-4、Ernie Bot、SenseChat、Tongyi Qianwenの比較
出典:企業レポート/Coresight Research
BaiduとAlibabaは、米国のGoogleとMicrosoftの動きをたどっており、自社のソフトウェアスタックにAPIを統合することで企業利用を可能にし、最終的に企業のビジネス生産性の向上に貢献しようとしています:
・Baiduは、検索、スマートスピーカー、音声アシスタント製品、AIクラウド、自律走行など、将来的にすべての自社製品にErnie Botを統合することを目指しています。最終的にErnie Botは、エンドツーエンドのビジネス最適化を提供することで、企業の効率性と生産性を向上させることを目指します。
・Alibabaは、DingTalk(Alibabaの職場用コミュニケーションソフトウェア)でTongyi Qianwenを試験的に導入しており、会議メモの作成、キャンペーンのアイデア作成、文書の校正を行うほか、インテリジェント音声アシスタントのTmall Genieで、子どもの寝る前の読み聞かせから楽曲提案まで、パーソナライズしたユーザー体験を提供すると、Alizila氏は述べています。今後は、大規模な言語モデルをさまざまな事業に統合してユーザー体験を向上させ、同社の顧客や開発者がコスト効率の高い形でカスタマイズしたAIモデルを作成できるようにすることを目指すとしています。
Tongyi QianwenをTaobaoやTmallなどの自社サービスに統合する計画についてのAlibabaの説明画像
出典:企業プレゼンテーション
今後、大手テック企業は、より賢く、より高い応答性を実現させるために、時間をかけてAIチャットボットの改良を続けていくと思われます。そして、企業はこうした生成AIソリューションを活用することで、長期的に生産性を向上させることができるようになるでしょう。