ライフスタイル

2023.08.19 12:30

地球に優しいフライパンとは よりグリーンな選択を考える

鈴木 奈央
1814
ドイツ本社では、ゴミとしての回収、リサイクルにも力を入れている。素材であるステンレスは、ノルウェーのリサイクルステンレスを購入して、使用している。また、売り場にリサイクルボックスを設置し、一つ買ったら一つフライパンを捨てることができるようにしている。

日本ではフライパンを捨てるとなると、現状、粗大ゴミに出すという手法が一般的だが、その後のゆくえが一般消費者にはなかなか見えにくい。このあたりもグリーン先進国とは大きく異なる。

ベルギーの「グリーンパン」の総代理店を務める「ワイ・ヨット」社では、アルミニウムにセラミックコーティングを施したフライパンを扱っている。フィスラー社のセラタルより軽く、取り回しはしやすい。じっくり蓄熱して肉などを焼きたいか、ささっと炒めたいかなど、用途に応じて選べばよいだろう。

ステンレスのフライパンは使用にコツがいり、料理初級者には、調理中に油を多く使用しなければならないことがあったり、こびりつきを落とすために、洗剤を必要以上に使用してしまうこともないわけではない。となると、それはそれで海洋汚染を増幅させることにもなりかねないのも事実だ。

フィスラーでは総合的に使用しやすく、人体への安全、そして環境への優しさが揃った商品を目指しているのだ。

食と地球環境の話題となると、フードロス、フードマイレージ、代替食など、食材の動きが注目されがちだが、ごく身近な調理器具にも、見直すべきポイントがある。知らなければ見過ごしてしまいがちだが、知れば、目をつぶることはできない。

何を選ぶかは個人の自由であるが、知ると知らないでは大違いだ。そのうえで、よりグリーンなものを選びとることは、地球環境がおびやかされている現代を生きる人間にとっては使命なのではないだろうか。ぜひ、一考してみてほしい。

文=小松宏子

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