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2023.07.21 14:30

今年、23.5億人がネットへのアクセスを制限されている

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イランは今年、すでに14回もインターネットを制限している。インドは9回だ。パキスタンやエチオピア、モーリタニア、セネガル、トルコも市民のインターネット通信へのアクセスを遮断した。VPNプロバイダーのSurfsharkのレポートによると、今年上半期に新たに行われた国家によるインターネットへのアクセス制限は42件だが、これとは別に40件のアクセス制限が昨年から続いている。

合計すると、今年はこれまでのところ29カ国で23億5000万人がインターネットへのアクセスを制限されたり、完全にブロックされたりしている。

インターネットを遮断する目的として最も多いのが、政府の動きに対する抗議デモの鎮圧だ。

例えば、イランのインターネット遮断は2022年の同国南東部ザヘダンでの残忍なデモ弾圧をめぐる継続的な抗議行動への措置として政府が実行した。ザヘダンでの女性に対する警察の暴力に抗議するデモでは96人のデモ参加者が死亡し、300人が負傷した。インドではシーク教徒分離主義者による運動の高まりを受けて、112人を逮捕し、分離主義者を捜索する一方で、2700万人のインターネットアクセスを遮断した。

「今日、何十億という人々がインターネット規制の対象になっており、その数は憂慮すべき速さで増え続けている」とSurfsharkの声明にはある。「インターネット規制は、抗議デモや議論を呼ぶ選挙、軍事行動などで政情が不安な時に往々にして起こる」とも指摘している。

この他に、インターネットアクセスを大きく制限している国としてはロシアが挙げられる。

ロシアでのインターネット制限は目新しいものではない。昨年のウクライナ侵攻後、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムを禁止し、現在も規制が続いている(だが多くのロシア人はVPNを使って禁止されたサービスにアクセスし続けているようだ)。

ブラジルも同様に特定のサービスを禁止している。裁判所の判断でメッセンジャーアプリのテレグラムが禁じられている。そして中国は長年にわたってほとんどの西側諸国のサービスへのアクセスを遮断し、厳しい検閲と監視を行う「グレート・ファイアウォール」を展開してきた。

Surfsharkによると、上記の規制は国全体に及んでいるが、インターネット規制の大半は局地的なものだという。今年上半期の国全体におよぶインターネット規制は10件で、局地的なものは24件だった。インターネットが完全に遮断された国にはモーリタニア(2回)、セネガル、スーダン、パキスタン、キューバが含まれる。

最も頻繁に使用が禁止されたサービスはフェイスブック、ツイッター、YouTube、インスタグラム、テレグラム、WhatsApp、TikTokなどだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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