2023.07.20 08:00

世界最強の座を失う日本のパスポート、ビザなし訪問先最多はあの国

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各国のパスポートで査証(ビザ)なしで訪問できる国・地域の数を集計しているヘンリー・パスポート・インデックスの2023年版が発表され、日本は5年ぶりに「世界最強」の座を失い第3位となった。トップは192の国・地域をビザなしで訪問できるシンガポールだ。

同インデックスは国際航空運送協会(IATA)のデータに基づいている。

順位を上げたのはシンガポールだけではない。日本が順位を落としたことで、欧州3カ国が2位に入った。 ドイツ、イタリア、スペインはいずれも190の国・地域をビザなしで訪れることができる。

日本はオーストリア、フィンランド、フランス、ルクセンブルク、スウェーデン、韓国と並んで3位。189の国・地域にビザなしで入れる。

やや意外なことに、英国は低迷期を脱したようで、6年間落ち込んでいた順位を回復しつつある。ビザ免除は188カ国・地域で、ランキング4位と2017年以降で最高となった。

一方で、米国では英国のような好転は見られず、順位は下降傾向にある。ビザなしで訪問できるのは184カ国・地域で、リトアニアとともに第8位だ。10年前、米国と英国はランキングのトップだったことを考えると、両国の順位の下降は地政学的な変化が及ぼす影響を示している。

ランキング最下位はアフガニスタンで、ビザなしで訪問できるのはわずか27カ国・地域。次にイラク(29カ国・地域)とシリア(30カ国・地域)がくる。

同インデックスの過去18年間の一般的な傾向に目を向けると、ビザなしで訪問できる国・地域の平均数は、2006年の58から2023年には109へとほぼ倍増している。そうであるにもかかわらず、ランキング上位国と下位国の差はかつてなく開いている。シンガポールのパスポートを保有者のビザなし訪問先は、アフガニスタンのパスポート保有者よりも165カ国・地域多い。

国際的な力を失い続ける米国のパスポート

ビザなしで訪問できる国が10年前より減っている国はわずか8カ国しかない。いかに各国が自国民に旅行の自由を与えるために開放を進めているかを示している。この間、アラブ首長国連邦(UAE)のパスポートのビザなし訪問先は107カ国・地域追加され、ランクを44位上げた。シンガポールは25カ国・地域を追加してトップに躍り出た。一方で、米国はわずか12カ国・地域しか増やしておらず、増加数はトップ10の国で最も少なかった。
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翻訳=溝口慈子

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