停止はロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官が明らかにした。ただ、ロシア側についての合意事項が履行されれば「ただちに合意の履行を再開する」とも述べている。
ウクライナ侵攻をめぐる西側諸国による制裁では、ロシア産の穀物や肥料は直接の対象になっていないが、ロシア側は輸送や金融、保険などに対する制裁の影響でこれらの商品の輸出も大幅に制限されていると反発してきた。
ロシアはトルコや国連が仲介したこの合意について、5月17日に60日間の延長に同意していた。
トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と合意再開について協議する意向を示している。
小麦の国際価格の指標となる米シカゴ小麦先物は17日午前、3%超上昇した。
ウクライナとロシアはともに、小麦やトウモロコシといった主要穀物やひまわり油などの輸出大国。ウクライナはこれらの商品を黒海の港湾からアジアやアフリカに輸出してきたが、ロシアが2022年2月に始めた侵攻の影響で遅滞するようになっている。
ロシアによるウクライナ侵攻は世界的な食料不足への懸念を引き起こし、食料価格の大幅な上昇を招いた。食料55品目のドル建て価格を追跡する国連食糧農業機関(FAO)の食料価格指数は2022年、通年平均で過去最高値をつけている。
ただ、同年7月の穀物合意後、今年6月までにこの指数は11.6%下がっていた。
国連によると、合意発効後、これまでにウクライナから黒海経由で輸出された穀物などの商品は3200万トンに達する。
(forbes.com 原文)