「養豚業」にも進出
柔和なキャラクターで知られるディンは、サステナブルな農業に個人的に関心を持っていることでも知られている。中国初のインターネットとゲーム分野のビリオネアで、2003年に保有資産29億5000万ドルで中国一の富豪となった彼は、2009年に養豚業を始めたが、そのきっかけは、地元の火鍋レストランで食べた肉への不満だったと報じられている。ネットイースは現在、ディンが所有する農場から仕入れた豚肉を、eコマース部門のYanxuan(網易厳選)を通じて中国全土で販売している。しかし、ネットイースのゲームは、プレイヤーを飽きさせないための工夫が必要かもしれない。上海の調査企業86 Researchのアナリストは、同社のゲームのダウンロード数が鈍化する可能性があるため、投資家に利益確定を推奨している。別の調査企業のブルーロータスも7月の投資家向け資料で、新作がライフサイクルの問題に直面するかもしれないと述べていた。
一方、ディンは、現状では全体の10%台の海外市場での売上を、最終的に50%程度に伸ばそうとしている。ネットイースは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーとの提携でRPGゲームの『ハリー・ポッター:魔法の覚醒』をアジア圏で配信し、最近ではフランスのゲーム開発会社のQuantic DreamとカナダのゲームスタジオのSkyBox Labsを買収した。また、日本市場では、バトルロイヤルゲームの『荒野行動-Knives Out』をヒットさせた。
しかし、ネットイースの海外事業は日本以外ではあまり成功していないとモーニングスターのアナリストは指摘した。香港のチャイナ・マーチャンツ証券のアナリストのトミー・ウォンは、同社が海外進出を加速させるのを見たいと話した。「彼らは、数年前から海外進出の野望を語ってきた。しかし、今はまだわずかな実績しか上げられていない」とウォンは語った。
(forbes.com 原文)