経済・社会

2023.07.16 17:00

人文・社会科学の現在を問う。アカデミアと社会をつなぐ未来への論点とは

久能:フィランソロピーというと「一部のお金持ちが取り組むこと」と思われがちですが、1年間に1万円だけ、あるいは1000円だけでもいいから、自分がどうにかしたいと思うテーマにお金を出すことがフィランソロピーの本質。誰でもフィランソロピストになれるんです。

なるべく多くの人がフィランソロピックな考えをもてば、資金を提供する側に多様性が生まれ、必然的に多様な人がお金を受け取れるようになる。この多様性こそが、世界を前に進める駆動力になると思っています。

安田洋祐◎大阪大学大学院経済学研究科教授。エコノミクスデザイン共同創業者。2002年東京大学卒業。米国プリンストン大学に留学し07年にPh.D.(経済学)取得。政策研究大学院大学助教授、大阪大学准教授を経て、22年7月より現職。著書に『「2030年日本」のストーリー』(共著)など。

柳澤田実◎関西学院大学神学部准教授。専門は哲学・キリスト教思想。東京大学21世紀COE研究員、南山大学人文学部准教授を経て、現職。編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』。

久能祐子◎社会起業家、フィランソロピスト。デサイロ理事。京都大学で工学博士号を取得後、創薬ベンチャーにて新薬開発を複数回成功。2015年、Forbes誌の「アメリカで自力で成功を収めた女性50人」に日本人女性として初めて選出。京都大学理事も務めた(2022年まで)。

岡田弘太郎◎編集者。一般社団法人デサイロ代表理事。クリエイティブ集団「PARTY」パートナー。研究者やアーティスト、クリエイター、起業家などの新しい価値をつくる人々と協働し、様々なプロジェクトを展開。1994年東京生まれ。慶應義塾大学にてサービスデザインを専攻。

文=鷲尾 諒太郎 写真=若原瑞昌、井上陽子

この記事は 「Forbes JAPAN 「 最高の働き方」を探せ!CREATE THE WAY YOU WORK」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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