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2023.07.12

AIの未来のキーワードは「ハイブリッド」、クアルコムがレポート

エッジとクラウド(Getty Images)

クアルコムが最近「The Future of AI is Hybrid(AIの未来はハイブリッドだ)」と題したホワイトペーパーを発表した。その中で彼らは、AIが最大限の能力を発揮するためには、クラウドとエッジの両方で処理が行われるべきだとはっきりと述べている。エッジでの計算はコスト、エネルギー消費、信頼性、遅延問題、プライバシーといった、技術の拡大や成長を難しくする要素を改善するだろう。そして彼らは正しい。

AIを完全に最適化するためには、1つ以上のパートナーやソリューションが必要だ。しかし、ここでより大きな教訓は、これが今後のすべての技術に当てはまるということだ。

なぜハイブリッド技術なのか? なぜ今なのか?

「ハイブリッド」という言葉を聞くと、多くの人はガソリンと電気の両方で走るハイブリッド車を思い浮かべる。技術業界では、公開クラウド、プライベートクラウド、またはデータセンターを組み合わせてデータを処理する企業の状況を意味する「ハイブリッドクラウド」のような言葉を使ってきた。これらのハイブリッドモデルの技術的な目標はハイブリッドカーと同じで、エネルギー消費の削減、コストの改善、性能の向上などだ。

ハイブリッド車は、ユーザーがガソリン車と電気自動車の両方の最良の特性を享受できることから人気を博した。ガソリンエンジンにより、ハイブリッド車は燃料をすばやく補給でき、燃料が必要になるまでの移動距離も長くなる。電気自動車は排出ガス削減とコスト削減に役立つ。同様の考え方はAIにも当てはまる。AIには、モデル学習や推論といった、複雑なワークロードを処理するための巨大なスペースが必要であり、そのためにクラウドが役立つ。同時に、AIには即時性も求められる。AIが役立つためには、実際に行動が起こる場所、つまりモバイルデバイスのエッジで処理を行う必要がある。
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翻訳=酒匂寛

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