英SASのモットー「最も速く学ぶ者が勝つ」はAI時代にも通じる

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Who Dares Wins(敢えて挑むものが勝利を得る)」とは、1941年のロンドン大空襲でナチス・ドイツが勝利しかけた数カ月に創設された英国特殊空挺部隊(SAS)の有名なモットーだ。現在もSASは、米国のデルタフォース、フランスの海軍コマンド、イスラエルのサイェレット・マトカル、フィリピンのライトリアクション連隊などの世界中のエリート特殊部隊のモデルとなっている。

Who Dares Wins」というフレーズには、ナイキの「Just Do It」、アップルの「Think Different」、デビアスの「A Diamond Is Forever」と並ぶインパクトがある。最高のモットーとは、私たちの脳に定着するだけでなく、深い真理を語るものだ。「Who Dares Wins」は勇敢さ、忍耐力、リスクをとる意欲を体現している。そこには、一歩を踏み出し、困難に立ち向かい、不確実性を受け入れる大胆な人こそが成功を収め、報酬を手にすることができるという考えが込められている。

ここで提案だ。私たちにはAIの時代のためのモットーが必要だ。そのモットーはキャッチーで、モチベーションを引き出すものでなければならない。それが信頼できるものであるためには、その根底に深い真理が必要だ。

米国の経済学者でありテクノロジー著述家であるジョージ・ギルダーが、彼のすばらしい新著『Life After Capitalism(資本主義後の世界)』で経済の正統派を揺さぶる新たな理論を提示している。経済とは結局のところ、供給と需要についてのものではない。また資源と資本、または不足と豊富についてのものでもない。それらは経済変動の本当の物語を後から観察したものに過ぎない。その本当の物語とは、人間の創造性、好奇心、驚き、実験について語ったものだ。それは主に、学習曲線に関するものなのだ。すなわち「Who learns fastest, wins.(最も速く学ぶ者が勝つ)」
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翻訳=酒匂寛

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