キャリア

2023.07.02

「AIの知見」は今やビジネス履歴書の必須項目になった

AIはもはやデータサイエンティストだけのものではない(Getty Images)

AI(人工知能)がキャリアに与える影響は、たとえデータサイエンティストやAI開発者でなくとも感じることができる。AIは多くの、そしてしばしば予期せぬ方向への道を開きつつあり、AIテクノロジーについての初歩的な知識は今や必須項目だ。

ビジネスで成功するには、いかなる職種であるかを問わず、AIに関するある程度の実務的な知識が必要になると、業界の専門家たちは口をそろえる。AWSのトレーニングならびに認定を担当する副社長モーリン・ローナガンは「現代のグローバルなビジネス環境では、日々の業務の遂行にデジタルスキルが不要な職種はほとんどありません」と述べる。

ローナガンは、ギャラップとAWSの共同研究によれば「米国の雇用主の約3分の2はAI、ブロックチェーン、ロボットなどの新興技術が近い将来、自社のビジネスの標準的な一部になると考えている」という。そして「技術的なスタッフであれ非技術的なスタッフであれ、AIが実際の世界のアプリケーションにどのように適用されているかについての基本的な理解を深めるのに、今が理想的なタイミングなのです」と述べる。

同様に、マイクロソフトの最近の調査では、3万1000人のエグゼクティブのうち82%が、AIの成長に備えて従業員が新たなスキルを必要とすると述べている。「自然言語を用いて、AIといっしょに仕事をすることは、インターネットやPCを使うことと同じように、私たちの仕事の一部となるだろう」とレポートの著者たちは指摘している。

「クリティカルシンキングや分析的判断、複雑な問題解決、創造性と独創性といったスキルが新たな中心的能力であり、これは技術職やAI専門家だけでなく一般にも当てはまる」とマイクロソフトの調査は示している。「従業員がAIをいつ利用すべきか、どのように優れたプロンプト(AIへの指示)を書くか、創造的な仕事をどのように評価するか、そしてバイアスをどのようにチェックするかを学ぶことが必須だ。AIが仕事の形を変える中で、人間とAIの協働は次の変革的な仕事のパターンとなり、AIと協働しながら仕事をする能力はすべての労働者にとって重要なスキルとなるだろう」と同レポートでは説明されている。

「(リンクトインのキャリアネットワークでは)生成AIやGPTといったトピックに言及した投稿が、1年前の33倍もある」とレポートは付け加えている。リンクトインのチーフエコノミスト、カリン・キンブローはレポートの中で「この動きはまだ始まったばかりだが、この変化は機会を拡大し、新たな役割を生み出し、生産性を向上させるだろう」と述べている。
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翻訳=酒匂寛

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