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2023.07.12 07:15

管理職のビジネスケアラー率 40代以降女性は男性の2倍

Getty Images

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高齢化に伴い、増加傾向にあるビジネスケアラー(仕事をしながら家族などの介護に従事する人)。中でも中高年は組織で管理職に就いているケースも多く、「職場に迷惑をかけたくない」といった思いから職場に介護について開示せず、仕事との両立に悩む人が目立つ。

仕事と介護の両立支援プログラムを提供するリクシスは7月4日、同サービスの導入企業に勤める管理職の男女1万721人のデータをもとに、「ビジネスケアラー最新実態レポート」を発表。そこからは同じ管理職でも男女でビジネスケアラーの発生確率や負担感に、大きな違いがあることが分かった。

最初に、想定する介護対象者の現状を尋ねたところ、「すでに要介護認定を受けている」もしくは「まだ要介護認定まではしていないが、すでに頻繁にケアが必要な状況にある」と答え人は、男性管理職で20%、女性管理職で22%。介護問題に直面している割合は、男女でほぼ同水準だった。

しかし「日々、要介護家族をサポートしながら仕事をしている」と回答した割合、いわゆるビジネスケアラーの発生確率については、20代〜60代の全年代で女性管理職が男性管理職を上回る結果に。特に管理職が多い40歳〜54歳の年代では、女性管理職のビジネスケアラー発生確率が男性管理職の約2倍となった。

さらに性別では、介護モデルに違いがあることが明らかに。主たる介護者を聞くと、男性管理職ケアラーでは最多の答えが「自分」で28.2%、次いで「自分の配偶者」(25.3%)となった。一方の女性管理職ケアラーでも最多は「自分」となったものの、その割合は41.8%と高く、男性の約1.5倍に。続いて多かったのは、親同士で介護する「老老介護モデル」(27.6%)だった。

また、「まだ日々の介護には直面していないものの、数年内に要介護家族の世話が必要になる」と見ているビジネスケアラー予備軍の管理職についても、同じ傾向が。いざという時に想定する主たる介護者が「自分」であると答えた割合は、女性管理職が34.2%で男性を上回った。

他にも、管理職であるビジネスケアラーが感じる悩み・不安を質問すると、「介護にかかる物理的・心理的な負担が辛い」と答えた女性管理職は約7割(66.4%)、「介護を抱えた自分の将来のキャリアに悩んでいる」と答えた女性管理職は約5割(49.3%)に上り、男性(各48.1%、38.4%)を上回った。女性管理職ケアラーの負担感は、男性よりも高いレベルにあることが分かる。

同社は、「介護になっても職場では相談しない」と考えている管理職の割合は高く、介護休業休暇制度、介護相談窓口などの利用率は、多くの企業で1桁%台と低い実情を指摘。女性管理職の育成・登用を加速しても、高齢化が進む中で企業側のビジネスケアラー支援が現状のままでは早晩、立ち行かなくなるリスクがあると警鐘を鳴らした。

そして女性管理職が長く活躍を続けていくために企業が取るべきアクションとして、「上司、同僚、部下を含む、会社全体の『仕事と介護の両立リテラシー』を格段に推進すること」そして「ビジネスケアラーが『当たり前に両立して活躍する』体制を構築するための、実践的な情報支援を加速すること」をあげた。


プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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