ただ、金星は夜空から消える前、華々しいフィナーレを演じる。
最大光度とは
7月7日金曜日、金星は「最大光度」を迎える。実質的には週末いっぱい非常に明るく輝くが、その明るさは金曜日にピークのマイナス4.7度に達し、西の空高くに見ることができる。「外惑星」(地球より外側の軌道で太陽を公転している惑星)が地球から見て最も明るくなるのは、地球が太陽とその惑星の中間に来る「衝」が起きる時で、惑星の表面が地球から見て100%照らされる形となる。ただ、地球より内側の軌道で太陽を公転している「内惑星」である金星は、そうはならない。
金星は現在、地球の非常に近くにあるものの、三日月型になって消えつつある。実は、7日の金星は、わずか4分の1ほどしか照らされていない三日月型だ。
それでも明るく見えるのは、極めて反射率の高い硫酸の雲が何層にも重なっていることが理由だ。明るさは、地球に近づくにつれて増していく。この反射率はアルベド(反射能)と呼ばれる。オンラインメディアのBig Thinkによると、金星のアルベドは太陽系のどの惑星よりも高く、太陽光の75~84%を反射する。
最大光度の金星を見るには
7日(あるいは土日)の日の入り直後に外へ出て、西の地平線近くを見れば、明るく輝く金星を見ることができる。双眼鏡や望遠鏡は必要なく、肉眼でOKだ。黄昏が深まるにつれて、金星はより際立ち、明るく輝くだろう。曇り空だったとしても、大丈夫。ユーチューブのチャンネル「The Virtual Telescope Project(バーチャル望遠鏡プロジェクト)」では、日本時間の7月8日午前6時半から、イタリア・チェッカーノにある14インチと17インチの強力なロボット望遠鏡2台を使用し、最大光度の金星をライブ中継する。
金星は数週間後、夜空から急速に消えていき、8月に「明けの明星」となって明け方の空に再び現れる。9月19日にはまた最大光度となるため、夜明け前に目覚ましをセットするのを忘れないようにしよう。
(forbes.com 原文)